リップが現れたことをお母さんに伝えた。
洗い物をしていたらリップ(本名;犬)が草原を本気の走りで走っているのが見えて、そのことをお母さんに伝えなきゃ!!と思い電話した。
お母さんが電話に出ると、私が話そうとしていたのに、上(神様)が先に口を開いた。
[上];(以下;[上])
『お母さん、今日はよく眠れたようですね。』
と言った。
私はそりゃそうだろうと思った。
でもお母さんは沈黙している。
どうして応えないのかとお母さんに聞くと、
『…はぁ~。そんな事まで分かるの~。お母さん、今日起きれなくて…、起きるのかなり遅かったの…。』
と言った。
『マジでっ?!こっちは分かってないからね。上がそう言うから伝えただけ…。』
と私は言った。
お母さんは落ち込みようから回復しない。
そしたら上が、
『別に遅く起きたことを怒ってはいませんよ。ただ、よく寝ていたので、よく寝たのですね…と言っただけですよ。』
と言った。
お母さんはもっと落ち込んだようで、受話器から大きなため息が聞こえた。
上はそんなお母さんを見て、“よいよい。”と笑っている。
私はそんなことはどうでもいいので、昨日の出来事(タイトル; リップに伝えていたこと。)をお母さんに伝えた。
話しているとお母さんは上から言われたこともすぐに忘れて行ったようで、いつものお母さんに戻って行った。
そして私は昨日の出来事を伝えると、
『これが“復活”って上が言ってたけど、お母さんから聞いてた話と違った…。どういうこと?!』
と聞いた。
『ちょっ、ちょっ、ちょっと待って。聞いたことない話よ~。』
とお母さんが困っている…。
受話器からボソボソと、
『どういうこと…。聞いたことない…。犬が復活…?!』
と独り言が聞こえてきた。
呪文のように聞こえてくるお母さんの独り言を私は黙って聞いていた。
ついでに上は笑って聞いていた。
お母さんの呪文が続いていた時、リップの姿が見えた。
『お母さん、リップがお母さんに、“ことちゃ~ん(仮名)、ことちゃ~ん。”って言ってるよ。』
とお母さんに伝えた。
リップにはお母さんのことをことちゃんと教えていた。
お母さんと教えていたら、世の中にはたくさんお母さんがいるので、それを聞いたリップが困ると思ったからそう教えた。
なるべく一つ一つの名前を教えていた。
なので私のことはあいちゃん(仮名;私)と呼ばせていた。
そしてそれを聞いたお母さんは、
『えっ?!』
と言ったままフリーズした。
私はそんなお母さんより、リップが近付き過ぎて、近い近い…鼻水っ!!と心で叫んだ。
触れることは出来ないので、鼻水が私に付くことはないけど、やっぱり目の前に鼻がアップで垂れそうな鼻水があったら人は避けてしまうもの。
私はそう学習した。
お母さんが戸惑いながら、
『リップはそこにいるの?!あなたのいつも見えてるところで見えてるの?!』
と聞いてきた。
私は肯定した。
『お母さんが聞いてたのは、復活はまだないはずだから…、でもそこに見えてるのよねぇ~。』
と言う。
お母さんから聞いていた話では、ハルマゲドンの後にみんな復活してくるのでそれまでは復活はないとのことだった。
それなのに私の見ている犬は復活している。
どうやらお母さんの頭では追い付かないようだ。
そういう時に上が口を開く。
『宗教の勉強では復活はまだないとか…。ハルマゲドンが起こって、その後に天での戦争が起こって、そして天の世界が出来ると…そう聞いてますが、お母さん合っていますか?』
と聞いた。
お母さんは、
『合ってます。お母さんはそう習ってきたからそうと思ってきたから…。』
と弱々しくそう言った。
[上];『なるほど。では、天がいずれ出来るとして私は今何処にいるのですか?私の家はないということになりますが、私は野宿ですか?』
と聞いてきた。
私はウケた!!
神様が野宿かぁ~。
毎日火をおこし、テントで寝る…想像したら健気に思えた。
天がまだないのなら、その場所すら存在することもおかしいんじゃないかとも気付いた。
お母さんは困っているので私が、
『天が出来るまでは、神様って何処に住んでるの?!』
と聞いた。
『そうよねぇ~。そりゃそうだわ。…でもそう習ったから…。』
とお母さんは言う。
ちゃんとした答えは来ない。
ただただ、鼻息やらため息が聞こえてくる。
私はちょっと気付いたので、
『天での戦争が起こってから天が出来るって言ってるけど、まだ出来てないはずの天でどうやって戦争出来るの?!無理だと思うけど、これは矛盾なんじゃないの?!』
と聞いてみた。
お母さんはやっぱり頭が追い付かないようで、口から漏れる音だけが聞こえてくるだけだった。
上がそっと私に、“今はそっとして置きましょ。いずれその言葉が心に届いた時に理解すると思いますよ。”と言った。
私は渋々諦め上の言い分に従った。
そして話を元に戻し、
[上];『聖書とは人に与えられたもので犬にではありませんね。それはどうしてかと言うと、動物は罪を犯していないからですね。罪を犯したから人に聖書があるのですね。なので、私からすると罪を犯していない動物は無償で復活が与えられるのであって、人間の方がふるいに掛けられていると思いますがね。』
と言った。
お母さんから変なうめき声が聞こえた。
『お母さん、大丈夫?!上が言ってる話は合ってるの?!』
と私は聞いた。
『あ゛ーーーっ、合ってる合ってる。いや、勉強で教わってないって言うか、勉強の内容とは全然違うけど、心の中にすーーーっと入ってくる。』
とお母さんは納得している。
じゃあさっきの私の言い分もすーーーっと入ってよ~と思った。
[上];『私の言葉…、“神の言葉は生きている。”と聖書にありますね。ということは、生きている言葉だから心に届くのかもしれませんね。私は約束をしたのでその約束を守っているだけのことなんですね。人間の飼っているペットだけが復活するだけではかわいそうですね。出来れば飼い主さんもペットと同じ所に復活して欲しいと私は願いますよ。』
と言った。
お母さんはとても考えてるようなので、
『お母さん、リップはもう死んでいく時の苦しみとか寂しさとかはもう覚えてないんだって。どうして自分がそこにいるかは分かってないみたいだけど、兎に角、楽しく過ごしてるんだって。それと上が、毎日、散歩もしてくれてるみたい。“あいちゃんよりもちゃんとしていると思いますよ。”って言われた。それに、首輪とかリードを使ってなくてたまげた。そんなの必要ないって。その苦しみとか寂しさとかを覚えてないのは、“拭い去られたから”だって。これが聖書にある、“拭い去る”っていう意味みたいだよ。上がね私に、“もうあいちゃんもリップちゃんがいなくなったけど、苦しむほどの悲しみはないでしょ?”って言われて、あっ本当だ~ってなった。これが宗教のおばちゃんたちとかお母さんが言ってたことか~って思った。』
と私は言った。
お母さんがそれを聞いて、
『あなたもう悲しくないの?!』
と聞いてきたから、
お母さんが電話に出ると、私が話そうとしていたのに、上(神様)が先に口を開いた。
[上];(以下;[上])
『お母さん、今日はよく眠れたようですね。』
と言った。
私はそりゃそうだろうと思った。
でもお母さんは沈黙している。
どうして応えないのかとお母さんに聞くと、
『…はぁ~。そんな事まで分かるの~。お母さん、今日起きれなくて…、起きるのかなり遅かったの…。』
と言った。
『マジでっ?!こっちは分かってないからね。上がそう言うから伝えただけ…。』
と私は言った。
お母さんは落ち込みようから回復しない。
そしたら上が、
『別に遅く起きたことを怒ってはいませんよ。ただ、よく寝ていたので、よく寝たのですね…と言っただけですよ。』
と言った。
お母さんはもっと落ち込んだようで、受話器から大きなため息が聞こえた。
上はそんなお母さんを見て、“よいよい。”と笑っている。
私はそんなことはどうでもいいので、昨日の出来事(タイトル; リップに伝えていたこと。)をお母さんに伝えた。
話しているとお母さんは上から言われたこともすぐに忘れて行ったようで、いつものお母さんに戻って行った。
そして私は昨日の出来事を伝えると、
『これが“復活”って上が言ってたけど、お母さんから聞いてた話と違った…。どういうこと?!』
と聞いた。
『ちょっ、ちょっ、ちょっと待って。聞いたことない話よ~。』
とお母さんが困っている…。
受話器からボソボソと、
『どういうこと…。聞いたことない…。犬が復活…?!』
と独り言が聞こえてきた。
呪文のように聞こえてくるお母さんの独り言を私は黙って聞いていた。
ついでに上は笑って聞いていた。
お母さんの呪文が続いていた時、リップの姿が見えた。
『お母さん、リップがお母さんに、“ことちゃ~ん(仮名)、ことちゃ~ん。”って言ってるよ。』
とお母さんに伝えた。
リップにはお母さんのことをことちゃんと教えていた。
お母さんと教えていたら、世の中にはたくさんお母さんがいるので、それを聞いたリップが困ると思ったからそう教えた。
なるべく一つ一つの名前を教えていた。
なので私のことはあいちゃん(仮名;私)と呼ばせていた。
そしてそれを聞いたお母さんは、
『えっ?!』
と言ったままフリーズした。
私はそんなお母さんより、リップが近付き過ぎて、近い近い…鼻水っ!!と心で叫んだ。
触れることは出来ないので、鼻水が私に付くことはないけど、やっぱり目の前に鼻がアップで垂れそうな鼻水があったら人は避けてしまうもの。
私はそう学習した。
お母さんが戸惑いながら、
『リップはそこにいるの?!あなたのいつも見えてるところで見えてるの?!』
と聞いてきた。
私は肯定した。
『お母さんが聞いてたのは、復活はまだないはずだから…、でもそこに見えてるのよねぇ~。』
と言う。
お母さんから聞いていた話では、ハルマゲドンの後にみんな復活してくるのでそれまでは復活はないとのことだった。
それなのに私の見ている犬は復活している。
どうやらお母さんの頭では追い付かないようだ。
そういう時に上が口を開く。
『宗教の勉強では復活はまだないとか…。ハルマゲドンが起こって、その後に天での戦争が起こって、そして天の世界が出来ると…そう聞いてますが、お母さん合っていますか?』
と聞いた。
お母さんは、
『合ってます。お母さんはそう習ってきたからそうと思ってきたから…。』
と弱々しくそう言った。
[上];『なるほど。では、天がいずれ出来るとして私は今何処にいるのですか?私の家はないということになりますが、私は野宿ですか?』
と聞いてきた。
私はウケた!!
神様が野宿かぁ~。
毎日火をおこし、テントで寝る…想像したら健気に思えた。
天がまだないのなら、その場所すら存在することもおかしいんじゃないかとも気付いた。
お母さんは困っているので私が、
『天が出来るまでは、神様って何処に住んでるの?!』
と聞いた。
『そうよねぇ~。そりゃそうだわ。…でもそう習ったから…。』
とお母さんは言う。
ちゃんとした答えは来ない。
ただただ、鼻息やらため息が聞こえてくる。
私はちょっと気付いたので、
『天での戦争が起こってから天が出来るって言ってるけど、まだ出来てないはずの天でどうやって戦争出来るの?!無理だと思うけど、これは矛盾なんじゃないの?!』
と聞いてみた。
お母さんはやっぱり頭が追い付かないようで、口から漏れる音だけが聞こえてくるだけだった。
上がそっと私に、“今はそっとして置きましょ。いずれその言葉が心に届いた時に理解すると思いますよ。”と言った。
私は渋々諦め上の言い分に従った。
そして話を元に戻し、
[上];『聖書とは人に与えられたもので犬にではありませんね。それはどうしてかと言うと、動物は罪を犯していないからですね。罪を犯したから人に聖書があるのですね。なので、私からすると罪を犯していない動物は無償で復活が与えられるのであって、人間の方がふるいに掛けられていると思いますがね。』
と言った。
お母さんから変なうめき声が聞こえた。
『お母さん、大丈夫?!上が言ってる話は合ってるの?!』
と私は聞いた。
『あ゛ーーーっ、合ってる合ってる。いや、勉強で教わってないって言うか、勉強の内容とは全然違うけど、心の中にすーーーっと入ってくる。』
とお母さんは納得している。
じゃあさっきの私の言い分もすーーーっと入ってよ~と思った。
[上];『私の言葉…、“神の言葉は生きている。”と聖書にありますね。ということは、生きている言葉だから心に届くのかもしれませんね。私は約束をしたのでその約束を守っているだけのことなんですね。人間の飼っているペットだけが復活するだけではかわいそうですね。出来れば飼い主さんもペットと同じ所に復活して欲しいと私は願いますよ。』
と言った。
お母さんはとても考えてるようなので、
『お母さん、リップはもう死んでいく時の苦しみとか寂しさとかはもう覚えてないんだって。どうして自分がそこにいるかは分かってないみたいだけど、兎に角、楽しく過ごしてるんだって。それと上が、毎日、散歩もしてくれてるみたい。“あいちゃんよりもちゃんとしていると思いますよ。”って言われた。それに、首輪とかリードを使ってなくてたまげた。そんなの必要ないって。その苦しみとか寂しさとかを覚えてないのは、“拭い去られたから”だって。これが聖書にある、“拭い去る”っていう意味みたいだよ。上がね私に、“もうあいちゃんもリップちゃんがいなくなったけど、苦しむほどの悲しみはないでしょ?”って言われて、あっ本当だ~ってなった。これが宗教のおばちゃんたちとかお母さんが言ってたことか~って思った。』
と私は言った。
お母さんがそれを聞いて、
『あなたもう悲しくないの?!』
と聞いてきたから、
作品名:リップが現れたことをお母さんに伝えた。 作家名:きんぎょ日和