正常な世界にて
私が了承したことを伝えると、時間や場所の詳細が送られてきた。また、高山さんを絶対に連れてくるなという注文も書いてある。事情が事情だから、これは当然だね。
私が理解した旨を送ると、既読がついたまま、もう送られてこなくなった。一応これで、クリスマスイブはフリーではなくなったわけだ。リア充のそれとは別物だけどね。
……少し悩んだものの、坂本君にこのことを相談することにした。頼りないけど、贅沢は言えない。
『クリスマスイブの予定ができてよかったな!』
私の相談を聞いてすぐの返信がコレだ……。彼の軽い調子には、もう慣れたぐらいだ。それに、高山さんに彼が同行していたことを喋ってしまった負い目があるから、今回は見逃してやることにした。
『仕方ないから、いっしょにまたついていってあげるよ!』
予想していたけど、彼はそう申し出てくれた。
とはいえ、彼はクリスマスイブは忙しいはずだ。嬉しいけど、罪悪感が湧いてくるね。キャンセルされた女の子たちに、もしバレれば、彼も私も八つ裂きにされるだろう……。