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　……しかしそれもできず、私に許されたのは息を呑むことだけだった。
　ガンガールが歩道からピロティへ入ってくるところを、ちょうど目にしたからだ。今聞こえてくるのは銃声ではなく、タイル床をカツカツと歩く音。
　落ち着きのない早足という点から、彼女のイライラや焦りがわかりやすく伝わってくる。無人の車相手に、バカみたいに撃ちまくったのだから、ああなるのは無理もない。
　高山さんからは、私たちを絶対逃がすなと厳命されていることだろうね。
　……考えると彼女の立場は、ある意味他人事じゃない。