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正常な世界にて

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 コンビニから運び出した物資を、軽トラの荷台に積み込む。さっきの砂糖を始め、保存が効く缶詰や菓子、衛生用品、電池などが所狭しに積まれている。
「それで終わりだ」
「うん、疲れた」
坂本君が、ミネラルウォーターの箱を、荷台にドンと置く。頼まれた物資は、予想した通り、このコンビニだけで十分確保できた。
 今はまだ六月だけど、晴れていることもあり、彼も私も汗だくだ。さっそくその箱を開け、ペットボトルの水をゴクゴクと飲む私たち。ああ、生き返る気分だ。一気に半分ほど飲んでしまった。
 この水も調達を頼まれた物資だけど、少し飲むぐらいは許されるはずだ。私なんて、初めて人を殺したぐらいだから……。今はもう、悲しい気分からだいぶ抜け出せた心理状態だ。しかし、きっと再発するはずだから、気をつけなきゃね。
「まだ時間があるから、銃を練習しよう!」
そう言った坂本君は、ライフルをまた私に手渡した……。いきなり再発しちゃいそうだけど、なんとか耐えられた。
「いや、今日はやらないよ」
坂本君に返そうとしたけど、彼は受け取らず、首をまた横に振る。
「今度は実戦じゃなくて、ただの練習だからさ?」
銃身にまた、あの説明書が引っかけられる。私の反論が嫌なのか、彼は運転席に乗り込んだ。
 彼はきっと、悲しい気持ちに負けないためにも、必死に練習しろ的な事を言っている。典型的な悪い根性論だけど、今は自衛のため、嫌々納得するしかない。さっきの外人たちも、私たちの敵と化したことだろうし……。

 自分自身を納得させつつ、助手席に乗り込む。大きくて重いライフルを持っているせいで、乗りづらく苦労した。畳めない分、雨天時の傘よりも厄介だった。
「ちょっとちょっと!」
その際、ライフルの銃口が坂本君へ向いていたらしく、彼は酷く焦っていた。危ないのはわかるけど、悪い気には正直ならない。……むしろ笑い飛ばしてもいい気すらある。

作品名:正常な世界にて 作家名:やまさん