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色の違うくつした

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わたしにはおにいちゃんとおねえちゃんがいます。ふたりともかっこいいのです。わたしはそうではありません。それにわたしはなにをするのもおそいのです。

お母さんとわたしたちきょうだい3人は、お母さんの友だちのけっこんしきでうたをうたうことになっている。
さあもうすぐ出かけますよとお母さんがよびにきた。
おにいちゃんは、白いシャツと黒いスーツがよくにあっていて、もうよういができていた。
おねえちゃんは、茶色と白のチェックのドレス。かおもかわいのでよくにあう。

わたしは、どれをきようかぐずぐずときめかねていた。だっておにいちゃんやおねえちゃんのようにみためがよくないんだもの。
おにいちゃんが「はやくしろよ」というので、てまえにあった、せつめいするのもむずかしい色のドレスをきた。

「よういはできたかい」とお母さん。
おにいちゃんとおねえちゃんが「はーい」と答えた。わたしも「はーい」と言おうとして足もとをみた。

あっ、くつしたはいてない!
わたしは、あわててくつしたをさがした。もうみんな歩きだしている。手につかんだくつしたをいそいではいた。すこしはしってなんとかおいついた。

作品名:色の違うくつした 作家名:伊達梁川