連載小説「六連星(むつらぼし)」第66話~70話
連載小説「六連星(むつらぼし)」第68話
「じれったい話」
「そうか。やっぱり響はトシの娘か・・・・。
それでこそ、お前さんにいろいろと世話を焼いてきた
甲斐が有るというもんだ。
初めて見た時から、俺は響が大好きになった。
おいおい、なんだよ。そんなに怖い目で俺を見るなよ。
お前さんのことだって、俺は大好きだぜ。
15歳で花柳界へ飛び込んで、芸者としてものの見事にトップまで
登りつめた。
いまでも、湯西川温泉を代表する芸者のひとりと言える。
お前さんの根性も、頑張りぶりも、俺は大好きだ。
そうか、響はやっぱりトシの娘か。
安心した。いや、それ以上に嬉しいぜ・・・・俺も」
「あんたは、私たちのことを応援してくれるの? 」
「当たり前だ。
トシが響を粗末に扱ってみろ、その瞬間、俺があいつをぶん殴ってやる。
それにしても、どういう訳だ。
響が突然、二部式のなんとやらという着物を着始めたのは、
一体全体、どういう訳だ?」
作品名:連載小説「六連星(むつらぼし)」第66話~70話 作家名:落合順平