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連載小説「六連星(むつらぼし)」第66話~70話

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連載小説「六連星(むつらぼし)」第67話
「懐かしい話」

 5月連休が真近となったころ、2週間ほど桐生を留守にしていた岡本が、
2人の若い者を連れて、遅い時間に「六連星」へ顔を出した。
ガラリと戸を開けた瞬間から、若いものを叱る岡本の不機嫌な声が響いてきた。
くわえ煙草で新聞を読んでいる俊彦のところまで、響いてくる。
漬物の支度をしている清子よりも、新聞を読んでいた俊彦のほうが、
いち早く反応する。

 顔を上げた清子は、岡本の姿をチラリと見ただけでそのまま、
また何事もなかったかのように、先ほどからの時分の仕事へ戻っていく。
岡本が座った席からは、そんな清子の様子は一切見えない・・・・