連載小説「六連星(むつらぼし)」 56話 ~60話
福島駅を定刻に発車した新幹線は、東京を目指してひたすら南下する。
響が、膝の上でパソコンを開ける。
(まずはメールアドレスをわたし用に変更して、金髪の英治と
那須のすっぴん美人に連絡を入れておこう。
手続は簡単だけど、問題はハンドルネームをどうするかだな・・・・)
変更の手続きを続けながら、あたらしいアドレスの欄に何気なく
『ひろののひびき』とポンポンと指先が打ち込んでいく。
(広野町の響き、か。まぁ、それも悪くないか)そのまま決定を押してしまう。
閲覧を見ていくと、金髪の英治が受け取っていたメールの多くは、
アダルトサイトやゲームサイトからの怪しいお知らせメールばかりだ。
ブログサイトやネットワークからのメールは、一切見当らない。
「ゲームか、エッチ系で、金髪君の日常は満たされていたわけか・・・・
メールアドレスを変更する必要はなかったけれども、
やっぱり、男の子っぽい名前のままでは、私としては抵抗が有る。
おっ、確認メールが届いたぞ。
ということは、わたしのパソコン上の名前は、たった今から、
『広野の響き』に変わったと言うわけだ」
つづけて響が、実名登録が基本と言う、Facebook(フェイスブック)
にアクセスする。
Facebook(フェイスブック)は、Facebook, Inc.の提供するSNSのことで、
「FB」と略されている。
歴史は、比較的新しい。
2004年。アメリカ合衆国で、学生向けのサービスとして誕生したものだ。
2006年9月26日以降。、一般にも開放されるようになった。
日本語版は、2008年に公開された。
13歳以上であれば無料で参加できるが、実名での登録が前提となっている。
個人情報の登録なども必要となる。
公開後。急速にユーザー数を増やした。
2010年。サイトのアクセス数がGoogleを抜き、世界中で大きな話題を呼んだ。
2011年9月現在。、世界中では約8億人のユーザーが利用している
世界最大のSNSに成長した。
日本国内むけでは、『ミクシィ』が先行している。
こちらは2004年3月に開設されたものだ。
会員数は2005年8月に100万人。2006年7月には500万人。
2007年5月の時点で、1000万人を突破している。
数十万のコミュニティを持ち、1日に2億以上のアクセスを誇っている。
『ミクシィ』は参加者からの招待状がないと加入できない。
加入自体は無料で、すぐに利用がはじめられる。
作品名:連載小説「六連星(むつらぼし)」 56話 ~60話 作家名:落合順平