The Jamming Converter girls
八百屋でのローカルアイドルコンサート
八百屋、個人営業のお店。
スーパーマーケットと違って時給制ではないしトラックが来て必要な商品を仕入れてくれるわけではないが、あくまでも個人営業だから、人一倍働かなければならない。
「君たちがお店の宣伝をしてくれるのだね」
四人のメンバーが集まる。
カラオケようのスピーカーから軽快な音楽が流れる。
歌にダンスを三曲ほど歌う。
「私たちは全国区アイドル・湾岸ガールズを追い越そうと思います」
八百屋に買い物に来たおじさんが言う。
「アンコールもう一曲、歌って」
「はい。喜んで」
アンコールでもう一曲歌うことになった。
その時、もうひとつのローカルアイドルが来た。本家の『ジャミングカール』である。女子プロレスをするほどの根性。でも、レフリーも邪魔するけど。そうすることでプロの女子プロレスラーにはかなわないが。
「えーと、みなさん、私たちの歌を聴いてください。この歌は名曲ですよ。現代的にアレンジした二十世紀末の名作・・・」
私は困惑した。せっかくのアンコールが台無しになるのが。
「みなさん、私たちの歌を聴いてください。せっかくのアンコールですから」
「悪いわね。でも、一局を短く歌ってくれないかね。彼女たちが歌い終わったら」
で、私はマイクを使って言う。
「みなさん、メモリーを持っていますか。メモリーにダビングを無料でします。あとCDもありますから。無料ですから」
ジャミングガールズが言う。
「私たちが未来のアイドルです。今、見逃すと歴史的な場面を見逃すことになります」
こうして、ローカルアイドルどうしが邪魔をし合うからジャミングガールと呼ばれている。