言の寺 其の弐
anaconda
「抱き締め殺す力が欲しい」
君の肉体が、誰かに抱かれていることを想像すると僕は……僕の舌はチロチロと、二股の先っちょを湿らせて、闇の中に赤く燃え盛らせる。
「ただ抱くだけでは、結局は伝わらなかったのだ」
だから死に至るまでの力で、それを実行するしかないのだ。そうなのだ。そうすることがきっと愛なのだ。畢竟変質的であろうとも、愛の一形態には違いないのだ。
『死に至るまでの性の称揚』
確か誰かのことばだが、生を性に替える児戯で、自分のものとしたい。
「殺人をもってしてでも、きっとこの感情を伝えたいのだな僕は」