小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

言の寺 其の弐

INDEX|10ページ/43ページ|

次のページ前のページ
 

ぬーどる きみのためにぬーどる


僕はナポリタンになる
美味しい美味しい
スパゲッティだ

「あたし、ナポリタン大好き」

って

君 言ったよね?
僕の決心は だからなんだよ
君に愛されたい し
食べられたいからこそ僕は
君の好む存在になる 君に自己を提供する

いうなればこれ
一種のアンパン男的美学

取りあえず浴槽に浸かる 適度に塩入れ
自分を湯がいてみる
僕の目指す高みはアルデンテ
一本筋の通ったイケ麺だ

「こんなもんか?」
と 二の腕摘まむ ゴリリと筋を感じ
「こんなもんだろう?アルデンテ?」
自分がアルデンテに仕上がっているのか イマイチ自信はないが きっとこんなもん

と 風呂上り 我に返る

「そもそも僕はナポリタンの作り方を知らない」

余分な水分を湯切りしながら僕は
クックパッドを開くのです
君に愛される方法が
きっとそこには載っているから

明日のデート
僕は全身ケチャップ塗れ
額にベーコンピーマン張り付かせて僕は
真摯に君の瞳を見つめる
君のオーダーを期待して

「君に平らげられたい! 」と
世界中のどの麺類よりも本気で切望しているのです僕は……



君からLINEが来た
曰く

「明日はおうどんたべたい気分」

なんということだorz……でも大丈夫
だって何しろ僕は



「本場香川の出身だからね」



作り直し

もう一度風呂入ろ
ピンと腰を伸ばして
お風呂に入ろう

君がジュルリとヨダレを啜り
僕の体を見つむ絵 湯煙に写して




作品名:言の寺 其の弐 作家名:或虎