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空と天と宙
空と天と宙
novelistID. 53932
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声の先にあるもの

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首が痛くなるほど見上げた

夕空がすぐそこまで迫っているのは

きっと分かっていたはずなのに

ただ涙を落とし続けていることしか出来ずにいる君

黄昏は静かに忍び寄る

心と体とこの地上に

いきなり現れたりなどしない

どこからとも無く現れることもしない

毎日毎日 夕暮れは暮れ続けてきた

それが絶対的な約束のように

だから安心していた

夕方は絶対にやってくるということを

疲れた体を癒せる瞬間も

家路へ帰る時間も

くもりや嵐が時間を分からなくしても

翌日や去った後の黄金の陽は

地上に荘厳で確かな光りを届けてくれる

首が痛くなっても見上げた

夕陽が落ちた後に出始めた金星を

時々寄り添ったり離れたりしながら挙がる

月と一緒だったり

他の星と一緒だったり

宵に挙がれば朝にもあって

安心させてくれる

声が聞こえる

約束された声が聞こえる

耳から体に響き、地上に視線が注がれる先に君がいる

絶対的な約束って安心させてくれるんだよ

四季のめぐりが来る
作品名:声の先にあるもの 作家名:空と天と宙