声の先にあるもの
夕空がすぐそこまで迫っているのは
きっと分かっていたはずなのに
ただ涙を落とし続けていることしか出来ずにいる君
黄昏は静かに忍び寄る
心と体とこの地上に
いきなり現れたりなどしない
どこからとも無く現れることもしない
毎日毎日 夕暮れは暮れ続けてきた
それが絶対的な約束のように
だから安心していた
夕方は絶対にやってくるということを
疲れた体を癒せる瞬間も
家路へ帰る時間も
くもりや嵐が時間を分からなくしても
翌日や去った後の黄金の陽は
地上に荘厳で確かな光りを届けてくれる
首が痛くなっても見上げた
夕陽が落ちた後に出始めた金星を
時々寄り添ったり離れたりしながら挙がる
月と一緒だったり
他の星と一緒だったり
宵に挙がれば朝にもあって
安心させてくれる
声が聞こえる
約束された声が聞こえる
耳から体に響き、地上に視線が注がれる先に君がいる
絶対的な約束って安心させてくれるんだよ
四季のめぐりが来る