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エコ1,2,3

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エコ2



<寒いね でもどっかに行きたいな>
エコメールがきた。

エコとオレは共に配偶者を亡くした気楽な独り者同士である。
そのさっぱりとした性格の割に、行き先は相手任せのことが多い。この場合の相手というのはオレのことだが、どこがいいかなと訊いても「まかせるよ」というだろうから、近いのにあまり行ってない近所の小金井公園にある江戸東京たてもの園にしようと思った。

<いいね じゃあ土曜の朝9時頃武蔵小金井駅で>
と返すとすぐに返信がきた。
<了解>
さすがエコである。シンプルなメールだ。

ほんとにこれでいいのかなと思っているうちに、またメールがきた。
<リュックにする、バッグにする?>
二人でちぐはぐな格好で歩くのも好まないので、なるほどと思った。写真を撮るのには両手が自由なリュックがいい。
<リュック>
とメール。
<了解>

これでOKだろうと思ったが、まだ油断できない。オレは身構えている自分に苦笑する。
その予想を裏切らないエコもエコだ。メールごっこで遊んでいるのか脳の構造がそうなっているのかどっちなのだろう。すぐにメールがきた。

<お昼どうする?>
エコの手作り弁当とかコンビニのおにぎりとか色々な選択肢があったが、暖かいものがいいだろうと思い、公園の売店で買うことにした。
<公園の売店で買おう あそこに甘酒もああったし>
また<了解>だけの返信かと思っていたら

<甘酒いいねえ(^^)>
甘酒に食いついてきた。
このやりとりは、どうみてもエコノミーなエコではない。

作品名:エコ1,2,3 作家名:伊達梁川