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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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「それにしても・・・あんたまでベッタリ惚れてしもうて、どないしょうねえ」
「え?」
「瑞や瑞。ほんまあれ腹立つなあ・・・穂積様も甘いんやから!」

ぶつぶつ言いながら歩く清香がおかしくて、紫暮はこっそり笑う。
ベッタリ惚れているのは、結局のところ清香も同じなのだろう。

とらえどころのない存在だったはずなのに。それがどうだろう、付き合ってみるとこれが中々人間くさくて興味が尽きない。

「ギョウギ悪いし、口は悪いし・・・」
「ふっ」
「まだあるで。チャラチャラしとるし、だらしがないやろ。うちあれがあかんのや。髪もモシャモシャやしな」

手厳しい意見だが、清香は嬉しそうに笑っている。ほら、結局惚れているのだ。あの不躾で無礼で、だけど不思議と温かな存在に。

次会えるときは、瑞の皮肉を倍の皮肉でかえせるくらいの、ありのままの自分でいられたらいい。紫暮はそんなことを思うのだった。