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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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接触



児童公園に夕やけに染まる。鉄棒に腰かけた瑞が、紫暮と七星が学校で集めてきた話を聞いている。

「子どものいる場所に出没してる・・・ってことか」
「そう。だから狙いは子どもじゃないのかなって、俺たちは思ったんだ」
「子どもの死亡時刻を集めてるってかァ?なんのためにだ」

瑞が片手で髪をかきむしり唸る。

「それは、ないと思います」

七星が言う。遠慮がちだが、それでも確信を持ったような口調だった。瑞はそんな彼女の真摯なまなざしを、まっすぐに見つめ返している。

「あの顔はそんな・・・通り魔とか、そんなんじゃないと・・・思う。何か大切なものをなくして、探しているみたいだった。途方に暮れて・・・」

途方に暮れて、夕闇を彷徨う男。紫暮の脳裏に、さみしげな男の背中がイメージされる。

真っ黒なコート。毒々しい夕焼け。悲しみを刻む音・・・。一体何が目的なのだろう。

「時計男の噂は、どんどん広まっているけど・・・子どもがいなくなったとか、傷つけられたとか、そういう話はないそうです」
「被害はないってことか。声をかけられるだけで」

目的がわからなければ、らちがあかないではないか。紫暮は唸る。やはり接触するしか方法はなさそうだった。

「時計男が出没するときには、前兆があるって紫暮言ってたな」

瑞に話を振られ、頷く。時間がとまったような感覚と、世界から切り離されたかのような感覚。突然、地元の街がよそよそしくなったような違和感だった。街ではないものが、上手に街のふりをしているような。