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【創作】「背中合わせで抱きしめて」

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五日目、アレンの勝ち。これで、神側は後一勝となる。

「おい、クソガキ!!」

勝負を終えて戻ってきたウィズに、ベレトが突進してきた。いい加減学習してくれないかなと呆れつつ、ユークは二人の間に割って入る。カッカしているベレトを、さりげなく押しやった。

「このガキ、何を腑抜けてやがる? ああ? わざと手を抜いてんじゃねえだろうな?」
「そんなことして、誰が得するんだい? 彼か? それとも僕?」
「何か企んでやがるんだ。こいつは、どうも気に食わねえ。自分は世界で一番賢いと思いこんでやがる」
「彼はそこまで愚かじゃないさ。そんなに心配なら、僕が良く言い聞かせておくよ。僕達は友達だからね」

片目をつぶってみせると、ベレトはふんっと鼻を鳴らして、「次はねえからな」と凄む。大丈夫だと請け負って、ユークはウィズの肩に手を回した。

「おいで、ウィズ。君は残り二試合を全て勝ち、世界中の贅沢を手にするんだ。まずは、豪華な宮殿を建てよう。住むところがなければ、何も始まらないからね。内装はうんと華やかに・・・・・・」

話しながら、そっとベレトの側を離れる。勝負が決まる前に、ウィズを傷つけられては大変だ。

「・・・・・・友達じゃない」

ぼそりとウィズが呟く。ユークは、ぽんぽんとウィズの頭を叩いて、

「まあまあ、細かいことはいいじゃないか。ベレトが納得すれば」
「何で、俺達を助けようと思った?」

まだ疑いは晴れないのかと、ユークは苦笑した。どうも自分は誤解されやすいと内心ぼやいてから、「面白いからだよ」と返す。
ウィズは、顔を振り向けてこちらを見つめると、責めるような口調で呟いた。

「嘘吐きだな」