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奥付③ 電動自転車の女

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「領収書下さい」
「はい、かしこまりました」
「講談社で」

講談社、講談社…。
講談社って漢字、どう書くんだっけ?
忘れたっ!
完璧にド忘れ。

何冊もレジに持ってきた、この講談社の男。
いったい誰だ?
領収書の宛名が講談社なのだから
社員か?もしくは関係者?
作家?な、わけないか…。

洋子は「講談社」が全くもって
思い出せず、アブラ汗をかいているというのにもかかわらず、
その男の持ってきた本のバーコードをレジでスキャンしながらイチイチ思ってしまう。

少年漫画のコミック最新刊か…。
しかし、他社かよ。
やはり人気作品にはひととおり目を通すのか、
それとも好みか。

日経ビジネス。
やはり、社員か?

ことりっぷ沖縄。
沖縄旅行か、いいね、いいね。

なんて、余計な事ばかり頭をめぐる
早く、早く、思い出さなければ。
まずい。
確実にまずい。

「カバーおかけいたしますか?」

時間を稼ぐが、あせれば焦るほど
思い出せない。


作品名:奥付③ 電動自転車の女 作家名:momo