影ふむ鬼子は隣のだれか1 神末一族番外編
全身を真っ黒なコートに包み、帽子をかぶった不審な影。それが近づいてきて、女子生徒にこう尋ねたらしい。
――いま、なんじですか?
女子生徒は無視して逃げ帰ったのだという。
『わけわかんないよな。じゃあまあ、そういうことだから』
通話が切れる。世の中には暇な人間がいるのだな、と紫暮はこの話を気にもとめなかった。
この不審者が、やがて自身に大きく関わってくることなどしるよしもない。
.
作品名:影ふむ鬼子は隣のだれか1 神末一族番外編 作家名:ひなた眞白