小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

影ふむ鬼子は隣のだれか1 神末一族番外編

INDEX|15ページ/28ページ|

次のページ前のページ
 


「おまえだって思い出してみろ、穂積に恋していたときはどうだった?若さゆえ、突っ走って、迷って間違って、みっともなく戸惑って・・・」
「なっ・・・・・!!」

清香が絶句する気配が伝わる。

「昔の自分って、青くて不完全で恥ずかしかったろ。誰にでもそんな時期があるんだから、紫暮がみっともなくても笑って見守ってやればいいよ」

優しい言葉だった。思ってもみなかった温かさに戸惑う。あんな化け物、と蔑んでいたが、瑞は紫暮の心がどうすれば救われるかを知っているのだ・・・。

(・・・どうしてだろう)

なぜ瑞は、他者の思いがわかるのだろう。
そしてなぜ自分は、この得体の知れない者の言葉に救われているのだろう。
血の通った人間から伝わるのと同じ温かさで、瑞の言葉は静かに紫暮を包んでくれる。

「・・・・・・うち、そないに厳しくあの子に接してるんやろか」

沈んだ清香の声。あの祖母が揺らいでいる。

「愛情もちゃんと感じるよ。おまえだっておばあちゃんをやるのは人生で初めてなんだから、間違えて迷うのが当然だ」

瑞は朗らかに言ったかと思うと、すぐに唸った。

「紫暮、あいつ今におかしな女に走りそうでな・・・俺心配だわー」

続いた瑞の言葉に、いらん心配しやがって、とそれまでのほっこりした気持ちが瞬時に吹き飛ぶ。

「あいつアイドルオタクとかになりそうで心配だわー。ハアハア言いながら盗撮とかに走りそうで怖いわー」
「走るかいドアホゥ」

ガンッ

「イッテェ!俺、穂積にも殴られたことないよ!?なんなの!?げんこつやめてよ!」
「うちのかわいい孫になんちゅうこと言うの。もこみちもびっくりのイケメンやで」

清香の声に、いつもの調子が戻る。