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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか1 神末一族番外編

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真相究明へ



時計男。声をかけられたという矢野。いろいろあってくたびれていたのだろう。風呂からあがってすぐにベッドにもぐりこむと、紫暮は五分もしない間に眠っていた。

「・・・・・・」

目が覚めた。喉が渇いている。紫暮は布団を抜け出すと、台所へ向かった。午前一時。おかしな時間に目が覚めたものだ。水を飲んでから居間の前を通りかかると、襖の隙間から光がもれ、清香と瑞の声が聞こえてきた。

(まだ起きてる・・・ゲームか)

厳格で品性を尊ぶ清香だったが、趣味がテレビゲームという意外な一面を持っているのだ。本人曰く、動体視力を鍛えたり、反射神経が衰えないようにやっているとのこと。ようは、ボケ防止のつもりらしいのだが、その腕前たるや近所の子どもたちが師匠と呼ぶほどである。ゾンビを倒すあの有名なゲームなどは、持ち前の根気と集中力で高得点を叩き出している。和服姿で正座して、背をピンと伸ばしてコントローラーを握る姿はシュールだった。

「俺っていつまで浪人生なの」
「諦めて就職したらよろしいがな」
「バカすぎてギャンブラーにしかなれないんだけど」

今夜瑞と興じているのは、平和な人生ゲームのようだ。暢気なことだ、と通り過ぎようとした紫暮だったが。

「清香、あまり紫暮を追い詰めるなよ」

そんな言葉が聞こえ、紫暮は襖の前で足を止めた。