連載小説「六連星(むつらぼし)」第51話~55話
連載小説「六連星(むつらぼし)」第52話
「童謡の里・ひろの」
「広野は、童謡の町だ。
童謡『とんぼのめがね』も、唱歌の『汽車』も此処から生まれたものだ。
発車メロディとして流しているから、もう聞いたと思うがね」
「なるほど。それでホームに、『汽車』の歌碑が建っていたのですね。
待合室に、『とんぼのめがね』のパネルが飾ってあるのも、
そういう意味が有るのですね」
「広野では平成6年から、毎年、「ひろの童謡まつり」を開催している。
そこで生まれた24曲の新しい童謡を、CDに収録して普及させている。
広野にかぎらず、福島をモデルにした唱歌や童謡はたくさんある。
会津若松にある鶴ヶ城の城内には、鶴ヶ城をモデルに作られた
「荒城の月」の歌碑が建っている。
山間にある鏡石町には、岩瀬牧場がモデルになった「牧場(まきば)の朝」
の歌碑がある。
檜枝岐村のミニ尾瀬公園には、尾瀬をテーマにした『夏の思い出』の
歌碑が置いてある」
「あら。それなら全部を知っています。
子供の頃によく歌いました。
特に夏の思い出なんかは、尾瀬の木道を歩きながら、
皆で、声をそろえて歌いました」
作品名:連載小説「六連星(むつらぼし)」第51話~55話 作家名:落合順平