リコーダーが吹けない(零的随想録1)
読書エッセイ2
書名「空想科学読本8」
著者 柳田理科雄
発行 メディアファクトリー
空想科学は好きですか?今回はそういう本ですよ。柳田理科雄さん。この人は最近有名になりましたよね。今回初めてこのシリーズを買わせていただきましたが、こういう本は好きです。今後も買いたいですねえ。お金が許せば、の話ですけど(笑)。さてさて、今回の話でおもしろいな、と思ったものを早速。
「サザエさんの首は細すぎませんか?」
この質問者Xさんに是非あいたいですねえ。この人は着眼点がいいと思いますよ。誰もがお約束と思うところをこの人はそれで住ませなかったわけです。なるほどなあ。
でまあ、このシリーズを知っている人ならわかると思いますが、それに対して柳田さんが答えていきます。東武のレントゲン想像頭突きなのがこのシリーズのジョークとしてはおもしろいというか。基本的にみんな知っているかどうか怪しいマンガやアニメのことを取り扱いがちなシリーズの中で、みんなが知っている「サザエさん」の質問は、それ故に笑いを誘います。続いて。
「『ドラえもん』の地球破壊爆弾で、地球は破壊できますか?」
確かにこれはおかしいなあ、と、やはりお約束の力は怖いですね。ヤッターマンに代表されるタイムボカンシリーズも、三悪は必ず爆発で死なないという謎の能力を持ってますしねえ。
地球環境に影響を与えても、地球そのものをぶっこわすことができない。問題はそこで止まりません。
「筆者が思うに、ドラえもんがどうしても地球を破壊したければ、他のひみつ道具を使うべきではないだろうか」
まさかそういう展開ですか。どこでもドアだのスモール(ビッグ)ライトで地球が破壊できるとは。未来世界は危険なものであふれているんですね。そういうことは予想しませんでした。ここにも科学者としてのまっとうな発想が生きています。…柳田さん、恐るべし。そして、まさかの太宰登場。
「『走れメロス』に、メロスは「少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った」とあります。どんな速さですか?」
これ以上書くとネタバレもいいところなので、ここで止めておきますが、感じたことを一つ。
この世には、発想力のとても優れた人が多すぎる。
作品名:リコーダーが吹けない(零的随想録1) 作家名:フレンドボーイ42