小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

連載小説「六連星（むつらぼし）」第49話
「乗り換え駅は、笠間芸者の町」

　亜希子が降りていった那須塩原駅から、乗り換えの小山駅までの間を、
東北新幹線「やまびこ」は、約30分で走りぬける。
時速240キロで走リ続ける車窓に飽きた響が、英治のパソコンを起動させる。
最新鋭の機種だけのことはあり、画面が瞬時に立ちあがる。

（さすがに最新の機種です。起動が実に早いわね。
亜希子さんに、お礼のメールを打っておきましょう。
アドレスも聞いたことだし。・・・ついでに、聞きそびれてしまった
水戸線の検索もしておきたいたいわね・・・）

　
　画面をクリックすると、瞬時にメールの一覧が現れた。
（あらぁ。新幹線も早いけど、最新のウィンドウズ7は、もっと速いわねぇ・・・）

パラパラと見ていくうちに、響が苦笑を浮かべる。



　（いやだわ・・・・英治ったら。
危ないサイトを巡回していた形跡が、はっきりと残っています。
紛らわしいサイトや、エッチ専門サイトからのメールが、ずいぶんたくさん、
ごちゃごちゃと届いています。
クリックしたら一発で、パソコンがウイルスに感染しちゃう可能性が有るわ。
「ワンクリック詐欺』に強引に引っ張り込まれるか、
それとも、迷惑画像を張りつけられるのが関の山です。危ない、危ない。
こうして見てみると、あいつも、元気で健康な男の子の一人と
いうことになるのかしら。　うふふ・・・あら？）