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僕の細道

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序章 ③ 白毫寺


『いにしえの奈良の都の八重桜 けふここのえに匂いぬるかな』 (伊勢大輔)

奈良に来ました。
奈良公園を通り抜け、新薬師寺で十二神将を拝し、
近隣の白毫寺に詣でる。

山門に通じる石畳の長い階段の両の脇は青々とした萩に覆われ
閑かな佇まいがまるで天国への階段のようです。

息を切らし登った境内からは奈良の都が一望できます。
鬱蒼とした背後の山から一面を覆う蝉時雨。
いくぶん涼しげでなぜか黄昏れるひぐらしの声を聞きながら石椅子に腰を下ろす。

『春すぎて 夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天香山』 (持統天皇)

まさに1300年前のその光景を彷彿とさせる眺めです。
雲間から差す日の光が絵画のような風景を演出させています。

山門を一歩出れば、そこは一部の隙もない住宅地
でも間近にこんな別世界があるのが古の都の歴史の力なのでしょう。

『いにしえの 奈良の都の 蝉時雨』 無精

パクリ! 本歌取りともいう (笑)

7/27

作品名:僕の細道 作家名:酔生夢死