小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

アイプチ王子

INDEX|4ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

その時はモテ男先輩が自然に
「こいつこういうの慣れてないみたいでさー」
って、印象良くしてくれたりフォローしてくれてたんですね。
完全、そのおかげだったと思います。

しかもそれをこれ見よがしに言わない・・モテ男たる所以ですね・・(笑)

印象が変われば、だれでも入り口にちゃんと立てる。
あとは、いろいろ経験して身につけていけば、
フォローがなくても、普通にいろんな人と交流が出来る。

この合コン以降も、いろんな飲み会やイベント、パーティー等で
いろんな人に出会って、それを痛感しました。

目をぱっちりさせるってのはほんの一つのきっかけに過ぎないけど、
その後の日々の変化は本当に大きいものになりました。


=================

・イベントにて

=================


「生まれてきてスイマセン」を心で連呼する
一重でファッションもダサい、モテなかった高校生時代。

そんな昔の事を知る由もないモテ男の友だちと出会って、
2,3ヶ月がした頃、パーティーに誘われました。
クラブがやってるパーティーイベントです。

ゴールデンウィーク、お盆、ハロウィンクリスマス・・etc
いろいろありますよね。

会場には女性30人男性20人くらい。とりあえず、

2人で中に入りました。
そこで、モテ男が言うのです。

「声掛けようぜー」

まあ、こういうパーティーじゃおそらく声かけないと始まらないでしょう。
ほとんどの人は出会いを求めて来てるわけですし、

街で声をかけるのとはがくっと一気にハードルが下がります。

大海原でマグロを一本釣りするのと、フィッシングパークでニジマスを
釣り上げるくらい、違いがあります。

とはいえ、こんな所で声をかけるなんて経験、鈴木にはない。
でも、言ってしまいました。

「いいね。じゃあとりあえず今いる人声掛けよっか」

何を言っているんだ?自分。とっさに思いました。
でも、それ以外の選択肢は無かったかのように、言ってしまったのです。

なぜか・・

そう、完全なる、見栄です!!

男にはね、ここで見栄はんなきゃ、最高にダサいぜ・・!!
ってシーンが、あるんです。

「おい〜こいつ女の子一人声かけるのも出来ないのかよ〜」

そう思われるのは男同士の間で、非常にダサい・・

車が買えず、通勤のために10kmをチャリでダッシュしている
それがバレようがどうでもいい。

もう滑ってんのに「あ、アブねぇ〜」って言っちゃったのを
見られようが、全然マシ。

参加者みんなオープンな感じのパーティーで女の子一人にも声かけれない、
そう思われるのは、謎のプライド、謎の見栄が邪魔して、
絶対に嫌なのです。

だから鈴木は声を掛けましたよ。
すかさず、となりにいた男がスマートに
「あ、ごめんなさい、鈴木のツレなんで(ニコ)」

ってかっこ良く流してきたけどね!!

横に男がいたのすら気づかない、それほどテンパっていたのですよ!ええ。
その男の株を上げるためのいいダシを演じちゃったわけですね。

当然、これじゃ終われない・・
鈴木は次の女性2人組を見つけて、近づいていくのでした・・

とりあえず、女2人組が一番多い。それがスタンダードな感じかなと
当たりを見渡す。

一回行動したことで、とりあえずテンパり具合は若干
マシになっていました。

そこから、声を掛け、2,30分話し、また次の人たちに声をかける。
こんな感じで2,3時間が過ぎて行きました。

「なんだ、意外と出来るじゃん、自分」

そう思ったのを覚えています。

じゃあ町中で同じことやってみろと言われたら、

かなり覚悟を決めないと無理だと思いましたが、

暇だから来た、とかいろんな人と話したくて、来た
みたいな人ばっかのパーティーではなんら声をかけるのに難しいことはない
ってことを実感出来たのでした。

ただ、一つ解せない点がありました。

一緒にいたモテ男・・誰にも声かけてねーじゃん!

ってこと汗

よくよく見ると、自分が声かけた2人組に、
途中から話に混ざってくるという作戦を実行していたのです!

まあ、1対2よりは、2対2にしてくれると嬉しいけど・・
ハイエナ戦法じゃないですか!!Σ(゚∀゚ノ)ノ

労せず美味しいところを持って行くにはなんとも効率のいい形・・
くそ、俺はモテ男に踊らされて必死こいていたっていうのか・・

いや、でもいろいろ経験積めたんだし、まあいいか・・

そうして、会場を後にしました。

後に誰かに聞いた話によると、顔が元々良かった男は、
10代の頃は顔だけで人が寄ってきて、付き合う人に困らない。

だけど、社会人になって数年すると顔で選ばない人が多くなってくるので、
今までみたいに待っているだけでもOKって感じじゃなくなってくる

そこで、自分から行けない人はどんどん恋愛と縁がなくなっていく
そんな感じらしいのです。

なるほどー、顔がいい人にもいろいろあるんだなー
なんて思いました。

パーティーに一緒にいったモテ男は効率よく立ち回っていたのか
それとも声を掛けられなかったのか

それは鈴木にもわかりませんが、ひとつわかったのは、
こんな自分でもとりあえず成長出来ている。ってことでした。

外見を変えて、いろんな人とコミュニケーションを取れるようになって、
もしかしたら鈴木は元々顔にコンプレックスがあって
それを克服しようと頑張っていたことで、

ある意味最初から顔が良かった人よりも美味しい思いをできているんじゃ?
とも思ったのでした。

元々顔がいいと努力することを忘れがち。

だから、外見を変えて、頑張ってやるー!!
って思っている人は強いのかな、と思います。


=================

・試練・・!

=================


先輩に連れられてクラブに行った時のことです。

先輩達とクラブに行く時にはとりあえず、一番若い奴が、
女の子を連れてくる。で、連れてきたら先輩に紹介する。
という暗黙のルールがありました。

そう、その時鈴木は一番若く、とりあえず先輩たちが座っている
テーブルまで、女の子を連れてこなければなりませんでしたΣ(゚∀゚ノ)ノ

そのテーブルはいわゆるVIP席というやつです(笑)

もうね、「行くぞ」って言われたら行かなきゃだめなんで、
当然、そのルールも頭に入っていて(今から俺は恥をかきにいく・・はわわ)
と、頭の中で思っていたのです。

そんなこんなで、下手な声かけで女の子に
ひたすら声をかける鈴木・・

時にはまわりの音がうるさいので
スマホ文字でコミュニケーションしつつ

おもしろ画像とかを見せて笑いを取ったり、

あれ?テレビ出てなかった??えっと、どこだっけな・・笑点?
とか意味不明な事を言ったり・・
女の子「?( ゚д゚)ポカーン」(恥ずかしすぎる・・)

そんなこんなで、数人×2,3回なんとか先輩のもとへ
連れて行くことが出来たのでした。

クラブは声をかけやすいので、それだけが救いです^^;

で、とりあえず先輩も盛り上がってるみたいだし、
作品名:アイプチ王子 作家名:鈴木 裕