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アイプチ王子

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なんて先生が言おうものなら、

「おい、一人余った。あいつ誰のグループ入れる?」
「お前のとこ入れろよ」
「え・・・・(10秒無言)えっと、他のほうがいいんじゃね?」

とか、そのレベルだしよー!!

そう、なんかオタクとかがクラスに一人はいる場合、
だいたいそのポジションを受け持つハメになるのです・・!


俺はオタクじゃねぇーのに!!

千原ジ○ニアのアゴをさらにしゃくらせ
ほっ○ゃん。みたいな目をしていたら、

そう見られてもしょうがないのです!!

だから鈴木は変わるしか無いと思ったのです。
鈴木は、アイプチ王子になる決意をしました・・!!



=================

・アイプチ王子になる決意

=================


「こんなブサイクが話しかけて、マジすんません・・」

高校生の頃、こんなことばかり考えながら
人に話しかけていた鈴木。


自分の容姿に自信を持つことは一切なく、
もともと人見知りがちだった性格は高校に入ってさらに大きくなり、

こんな自分が人に話しかけていいのだろうか
とか思ってしまっていたのです。

そして、これを変えるのは無理なんじゃないか?と思うようにもなり、
ずっとこのままこういう感じで大人になっていくのかなーと、
なんとも卑屈な考えで日々、生きていたのですね。

よくよく考えてみると、人に話しかけられた時に、
「ブサイクがー話しかけてくるなやー」なんて思うことも無いのに、
自分のことになるとどうしてもそんな考えを持ってしまっていました。

その時と比べて、今では自分でもびっくりするくらい、
変われたなと思っていますが、やっぱり、

外見の変化が大きかったのは言うまでもなかったです。
そう、アイプチをつけたのです。

二重の目を手に入れ、高校が卒業した頃には、

二重は定着していました。


そして、もともと二重だった人と何ら変わりない
感じの目になったことで、自信が付いてきたのです。

どうしたって、人間関係の中で見た目ってなんだかんだ言ってすごく大事。

人は中身だよ!
というのはもちろんそうだと思うし、それは間違いないんだけど、

初対面でちょっとでもいい印象の人のほうが、

結局は後にもいい印象が続きやすいし、
最初は中身より見た目から人を無意識に判断してしまうのが人間というもの。

例えば、実際にあるデータとして、
就職活動の際、どうしても美女、イケメンのほうが内定がもらいやすいそうです。

バイトのレベルでもそうです。

目がぱっちりしているほうが明るく見られたり、
いい人に見られやすいっていう事がどうしてもあります。
実際鈴木もすごく痛感しました。

高校1年生の頃、先輩や友だちから直接紹介してもらった
バイト以外、全部落ちました・・(笑)
自力で受かったのは誰でも登録できる日払いの人材派遣です・・(笑)

人見知りっていう性格に加えて顔の印象から暗そうな感じを与えて
いたんだと思います。

そんな高校生1、2年の頃から数年後・・
高校卒業後二重まぶたが定着してから倍率が20倍くらいの超人気の
バイトに受かってしまいました・・!

見た目以上に、ちょっとした自信が付き、明るく振る舞えたことが
とても大きかったんだと思います。

この時痛感したのは、何もせずに自分の内面を変えることは
もちろんできるけど、それが出来る人ってかなり少なく、
きっかけがあったほうが、断然良い方に変わりやすいってことでした。

高校の頃、一日の大半はネガティブなことばかり
考えてしまっていました。

どうしても変な方、変な方に考えが傾きやすいんですね。
すでにこういう癖が付いちゃっているので、それをいきなり変えようと思っても、
かなり難しい。

だから、ちょっとした外見を変えるというきっかけが
自分を変えるポイントになったんだと思います。

自分の理想に一歩でも近づいたことで、
内面に変化が現れて、それが自信に変わった、ということです。


鈴木はアイプチ王子に変わっていったのです・・!


=================

・モテ男・モテ女の巣窟へ挑む・・!

=================


自信が付き、振る舞いも変わったことで、
まさかの倍率が20倍くらいのバイトに受かってしまった。

そこのバイトは接客業で、とにかくバイトしたい
って人がすごく多いところでした。

オープニングスタッフだったので、普通のバイトよりも人気、
で、お店自体も出来る前からすごく話題になっている感じでした。

なんというか、男女関わらず、働いているだけで、モテる(笑)
みたいなバイト、あるじゃないですか。そういうところだったんですね。

最初はとにかく緊張しました。

だって、お客さんもスタッフもモテ男モテ女みたいな人ばっかり・・
例えばコンビニでバイトしていても会わないようなスタッフ、お客さん
ばっかりだったんですね。

なので、

「こんな鈴木がここでうまくやっていけるものか・・」
「そのうち醜態をさらすんじゃないか・・」(汗)

などなど、いらないことを多少、考えてしまうのでした。
人間関係にちょっと苦手意識があった分、物を覚えるのはわりと好きな方だったので、
仕事自体は楽しかったのもあって早く覚えることが出来ました。

鈴木はフリーターだったので週5で週に3日4日の大学生や専門学校生の人より
多く入っていたので、仕事を教える機会が多くなったんですね。

最初のうちは、コミュニケーションに自信が無かったけど、
仕事内容をフォローする上で、仕事のやり方を教えることが入り口になって、
いろんな話も出来るようになりました。

そういう流れで過ごしている内に、
スタッフとの交流をすごく自然と出来るようになりました。

中学、高校の頃に心の中でひたすら唱えていた
「こんなブサイクが話しかけてマジすいません」
みたいなこともほとんど思わなく、自然体で人に話せるようになっていきました。

ただ、ここでバイトすることになって数ヶ月くらいした時
鈴木にちょっとした試練が襲いかかります。

同じバイトのスタッフとも自然に交流出来るようになり、
バイト以外の時間に遊んだりするくらい溶けこむことができていました。

でも、まだまだ鈴木にはできていないことが一つだけあったんですね。

それが、
お客さんと自然なコミュニケーションをとることでした。
鈴木の、最も苦手とする分野です。

そのバイト先のお店は、定型文のような接客じゃなく、
もっとお客さんにグイグイ行っちゃおう!常連の人ほど、友人のように接しよう!
そんなテーマがあったんです。

相手はお客さんということをしっかりわきまえつつ、
時には笑わせたり、いじったり、フランクに接しようというもの。

ちなみに店長は神がかってお客さんのハートをキャッチしていました(笑)

来るお客さん、来るお客さん
「今日は店長さんいないんですか?」
「○○さん(店長の名前)いますか?」

という感じ。

これは鈴木にとってかなりハードル高いことのように思えました。
作品名:アイプチ王子 作家名:鈴木 裕