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アイプチ王子

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・アイプチ王子 鈴木 裕・


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・序章

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千原ジ○ニアのアゴをさらにしゃくらせ、
ほっ○ゃん。みたいな目をしていた高校生時代の鈴木。


アゴはもう・・修復不可能・・共に生きていくしか無い。
じゃあ、他に変えられるところって、どっかある??

やっぱり、髪型やファッション・・そこら辺を
強化していって、雰囲気イケメンになるっきゃない!!


思いついた鈴木は、まゆげや髪型などをせっせと
頑張って整えることを始めました。

店員に、
「メンノン!?その顔で!?」と思われているかもしれないと
思いながら、恐る恐るレジに向かったり、

テレビを見たりして少しでもかっこよくなるための
情報を集め始めたのです・・

そしてアイプチに出会う鈴木・・


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・女子「いる!こういう奴、いるよねー」

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高校1年の時、友だちに、男子3人、女子3人で
今度遊びにいこうぜっていう誘いを受けました。

その友だちは女子の友だちが多く、人数が足りない時に
数合わせで鈴木にそういう話を何回かしてくるのでした。

「普通にいるだけでいいならいくよー」
という、かなり消極的な気持ちでOKを出したんですね。

誘ってくれた人が場を仕切ったり、いろいろ
やってくれるんなら、とりあえず、その場でうんうん
うなずいてやり過ごせばいいか。そんな気持ちだったんです。

ただ、当日になって事態は急変しました。

誘ってくれた男子が、こともあろうに、無駄に気を利かせてくれ、
「おまえ仕切ってよー」なんてことを言い出したのです!

そしてその後(仕切れる男はモテるよ!)みたいなことをぼそっと耳打ち
してくるのです!

その時のそいつの顔。歯を光らせ、ウインクして
手をグッ!って感じ、まさにそんな顔にしか見えませんでした・・!!

ちょっ・・待ってくれ・・レベル0の俺には無理ダヨ!!

完全にいいことをしてくれたつもりだったんでしょうが、
何のプランも無い、トークスキルも一切ない、

鈴木には荷が重すぎると感じました。

さらに追い打ちをかけられたのが、女子3人の中の、一人が、
「誰コイツ?なんで仕切ってんの?」的な
態度を取ってくるじゃありませんか・・グフッ

鈴木の高校1年のイメージはオタク系男子グループに入っているような
冴えない奴、多分女子の間ではそんなイメージしか無かったと思います。

そんな奴がいきなり仕切り始めたら、そりゃあそんな態度になりますよね。
ここで鈴木は心が折れかけたのです・・

さらに、

「やばい・・完全に自分いらないじゃん・・」
なんて気持ちが強くなっていったので、
場を盛り上げることなど出来るわけ無く、
どんどん、無言になっていくのでした・・!!

「いる!こういう奴いるよねー!!」
って、女子トークで一度は出てくるような無言キャラ。
そんなキャラで半日過ごすことになったのでした・・

後でわかったことで、

どうやら女子のうちの一人が男子の一人を好きだったらしいのです。
それで、くっつけられたらいいねーみたいな感じで、
他の女子2人はその機会を伺っているのでした。

そんなことも知らず、無理やりやらされているとはいえ、
空気を読まず、知らない奴が仕切っている現状・・

女子が「さっきからコイツ、なんやねん!!」
ってなるのもわかる気がします。

まてまて、俺だってホントはそんなことしたくないんだよ。
適当に端っこで、うんうん、とかいって頷いているだけのキャラで十分なのさ。

とはいえ、仕切らなきゃいけないなら、とりあえずはちょっと笑いを取ったり、
盛り上げないといけないじゃん?

なのに、無反応!!イエイ\(^o^)/はなから人の話し聞く気ねーだろー!

あ、そうだ用事思い出した!ちょっと、帰らなきゃ・・!
っつったらみんなで一斉に止めるしよ〜!!

どうしろってんだよ!!
そういう時だけ無駄に優しさアピールすんなや!
(もちろん、鈴木以外へ向けたアピールね)

↑当時の鈴木の心の中。

そうとう、テンパっていました。
結局、イライラしたりし始めて空気を悪くしちゃいました。

もう、その日はとりあえず、出来る男にまかせて、
自分は可もなく不可もなく、空気のように、背景のように
ひっそりと佇んでいて、ここがチャンス、というところで
ひっそりと、いなくなる。それが一番だったな、と思いました。

友だちが無駄に女子との交流が多かったので、
こういう機会が結構あり、その度に、いろんな失敗をしては、
何かを得て行ったわけですが、まあ、いろんなものを失いまくりました

そして、最終的に感じたことがありました。

当時、高校生だったからこそ思うのが、
見た目の印象はその人の印象を、80%くらい決める・・
ってこと。これは男女関わらず、本当に痛感している人が多いのではないかと思います。

20代に入り、そう思う機会は徐々に減っていきましたが、
とにかく10代の頃は本当にこれが頭にのしかかってくる始末だったのです。

そして学校内だけにとどまらず、街へ出ても鈴木は劣等感を
大きくしていくのでした・・


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・「えっ、お兄さん、イケテマスヨー、ニヤニヤ」

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16歳の休日、午後3時くらい
渋谷の街を歩いていると変な人に声を掛けられる。

「お兄さん、ちょっといいですか?モデルとか興味ないですか?」
「はい?」
(なぜ俺に声をかけてきた??誰がどう見てもモデルってより指名手配犯顔の俺によー)

2,3会話をしたあとこのあと用事があるので、と
逃げる鈴木にとりあえず名刺を渡してくるキャッチセラー

そう。これは当然キャッチセールスである。

奴らの仕掛けはこうだ。

とりあえず、女にモテなさそうな男をモデルに

なれるとか芸能人になれるっていって
養成レッスンをすすめる。

毎月お金かかる。
1年経っても、5年経っても、仕事の話も何もない。
5年おわた\(^o^)/

そんな感じである。

それにしても、

「モデルなりませんか??」ニヤニヤ・・
「ええー?お兄さん、イケテマスヨー」ニヤニヤ・・

「うるせぇぇぇぇ!!」

奴らが朝、大きい声で復唱しているであろう合言葉
・田舎モンっぽいやつを狙え!
・女にモテなさそうなやつを狙え!

繰り返しぃぃぃ!!

ウッス!!

・田舎モンっぽいやつを狙え!
・女にモテなさそうなやつを狙え!

「俺を見て、コイツだ!!って思ったかのように一直線に向かってきやがってよーーー」

キャッチセールスからすれば高校生の時の鈴木みたいな奴は
当然いいカモに見えるわけで、なんとも悔しい思いをしていました。

遠足イベントで、目的地に向かうバスはカラオケ機能が付いており、

みんなに歌本を回す流れだったのですが、

なぜか鈴木だけ歌本渡されね〜しよ〜

鈴木の頭越しに「はい、○○さん、歌本」です!!


目的地について、
「全部で6グループに分かれてねー」
作品名:アイプチ王子 作家名:鈴木 裕