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【創作】「rain」【BL】

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「おはようございます、レイン博士」
「ひゃああああああ!!」

研究所の自室、扉を開けたらルーク少佐が立っていて、レインは飛び上がった。

「申し訳ありません。驚かせるつもりはなかったのですが」
「い、いや、あの、す、すみません・・・・・・」

レインはびくびくしながら室内に入る。少佐の視線が、レインの手元に向けられ、

「鞄を変えられたのですか?」
「へ? あ、ああ、あの、えっと、コ、コーヒーを零してしまって・・・・・・」
「失礼しました。些細なことが気になる質なものですから」

レインはもごもごと呟きながら、一体何の用だろうと、視線を彷徨わせた。少佐は、手に持っていたファイルを差し出すと、

「博士の論文を拝見いたしました。内容について、いくつか質問をしても宜しいですか?」
「はい?」
「ご迷惑であれば、日を改めますが」
「えっ? あ、い、いえ、大丈夫ですが、あの、ちょっと見せてください」

レインはファイルを受け取ると、中身にざっと目を通す。几帳面な字の書き込みが、ルーク少佐の熱心さを伺わせた。

「あー・・・・・・はい、はい。そうですね。ええと、それなら、先にこちらに目を通してもらったほうが」

鞄を探り、資源回収に出すつもりだった封筒を取り出す。少佐に手渡した後で、中身が不完全なのを思い出した。

「すみません、印刷が途中で、あの、インクが・・・・・・切れてしまって・・・・・・」

苦しい言い訳を絞り出しながら、レインはバタバタとパソコン前に座る。

「あのっ! 続き! 纏めますんで! 先に読んでてください!」
「ご迷惑では?」
「大丈夫です!」

いつもの癖で、オーディオのスイッチを入れる。雨音を流しながら、レインはキーボードを叩き始めた。


作品名:【創作】「rain」【BL】 作家名:シャオ