ジレンマ
第六話 仲間
「なにか変わった事はないですか?」
「う〜ん。何かあれば少しは楽しめるんですが...
なにせ、平日の昼間からゲーセンで遊ぼうなんて人はいませんよ。キッコウだってだいぶ進学校だからねぇ...まっすぐ家に帰るマジメばっかりで...」
少しゲーム台から目を出して警察官の様子を伺えるようになった。警察官はスラリと痩せ、色白で、背も高く、顔もそこそこイケメンであった。
警察官はおんちゃんの愚痴を聞かされ、苦笑いした。
「まあ、何も無い事にこしたことはありませんよ。では、お仕事頑張ってください。」
「おつとめ、ごくろうさまです」
警察官が出て行くとまた店内には静寂が訪れた。