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ワン! だ フル!~第1話~

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カンナが言う俺の良い所。
俺にはさっぱりわからないし、俺は自分自身が「凡人すぎる」と思う。
それを悪くは言わない。むしろ普通な事こそが、1番良いと思う。
カンナのような奴が異常なのだ。
俺にはなんでも出来る器用差も、幸運になれる力も持っていない。
普通すぎる凡人で、俺に良い所なんてあるわけがないと思う。
「お前がそう思ってるだけさ。お前の良い所、わかってる奴もいるし、これから自分でわかっていくと思うぜ?」

ファミレスでカンナと別れた俺は、真っ先に帰った。(カンナはいつもの塾やらで、忙しそうにしていた。ちなみに勘定はカンナがしてくれた)
あいつの言ってる事はわからないし、俺自身そんなのがあるとは思えない。
「思いたくない……の間違いかな?」
そんな良い所があるなら、今の不幸な毎日を送る自分はいないと思うからだ。
地獄のような毎日と言うわけでもないが、毎日泣きたくなるような不幸な毎日を送ると、カンナのような考えは持てない。
16年間。俺は不幸な出来事を送り、良い思いもした事ないのだ。
良い所があるなら、今すぐに知りたい気分だ。

「あるわけないよな…」
そんな事を思いながら俺はいつもの帰り道を歩く中、奇妙な物を見かけた。
どう見ても、人だった。女の子だった。俺と同い年ぐらいの女子学生が、俺の家の前で倒れていた。
この逃れられない状況で、俺は関わりたくないと願っていた。
決まってあの言葉を、口走っていた。
「……犬になりたい気分だ……」