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たららんち
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novelistID. 53487
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ぶろぐがわり

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登山



 数日前。
 始まりは、研究室の一人の発言でした。

「今日天気いいねー。研究室来ないで散歩しようかと思ったもん」
「……いくか?」
「いくか!」

 そういうことで、研究室のコアタイム中にも関わらず、近場の山へと登りに行くことになりました。
 標高九一一メートル、片道一時間ほど。車で駐車場まで行くと、そこで大体四〇〇メートルほど。山には詳しくありませんが、そんなに大変な山でもなさそうです。
 行くことを決めた私たちは着の身着のままさっそく山へと向かいました。学生って馬鹿だという見本ですね。
 車に揺られて十五分ほどして、目的の駐車場につきます。事前情報が片道一時間くらいということしかなかった私は、ここでまず怖気づきました。

「んん? 意外と高くねーか? おお?」
「だいじょうぶだって」
「え? だってあれだろ? 頂上あそこだろ?」

 なんて頂上を指を刺しながら会話をして、さっそく登り始めることに。
 山道なんて初めてでしたので、ほかと比較することはできませんが、きっとこれは歩きやすい部類なのだと思います。ですが、石がごろごろしていたり、バランスを考えていないような緩急のつけかただったり、結構歩きづらかったです。
 なれない登山でしたがあまり高い山でもないということで、そこまで辛い状況にはなりませんでした。鼻で呼吸をしようと思えばできるけど、口でしてたほうが楽、というくらいですかね。

 頂上に着いて、景色を眺め、体を休めます。
 山頂にある鐘をならしたり、写真を携帯でとったり、ペットボトルのふたを落としてしまったりと、多少の滞在を済ませると、そそくさと下山することに。
 下りは登るのよりも楽でしたが、その分膝や前ふとももに負担がかかりました。

「今絶対、半月版が磨耗してる。やばい」
「人間そんなんじゃすぐ寝たきりになるって」

 下山が完了して、思ったことは、なんだか感慨深くないなということです。頂上の景色はすばらしいのですが、下山があまりにもあっさりしすぎていて、「あれ? 着いちゃった?」という感じでした。まぁ、小学校の遠足か何かで行ったことがある、と地元の友達も言っていたので、そんなものなんでしょう。
 しかし、いい景色を見るために山を登るというのは、少し魅力的だと思いました。

 こうして、山を舐めた格好をした二人の登山は終わりました。もしも次にどこかに登ることがあるとしたら、そのときはもっとまともな装備をしないといけませんね。後悔してからでは遅いですから。

 余談ですが、「頂上まであと○○メートル」という表記が登山の途中でありました。それまでは特に考えることもなく、とんとんと登っていたのですが、その表記を見たあと少しずつ登っていると、「あれ? まだ上までつかないの?」という気持ちがむくむくと。

 本来は「あと少しだよ!」という表記のつもりなんでしょうが、私にとってはなぜかそうはならなかったみたいです。


作品名:ぶろぐがわり 作家名:たららんち