連載小説「六連星(むつらぼし)」第36話~40話
連載小説「六連星(むつらぼし)」第38話
「響の、隠れた特技」
ホテルへ戻った2人は、早めの朝食をとるために食堂に向かう。
熱いスープが、身体を芯から温めてくれる。
青白くなっていた響の頬にも、赤い色がよみがえって来た。
「お前・・・まるで林檎みたいな、真っ赤なほっぺたになっているぜ。
まったく、朝早くから無茶する女だよな、お前ってやつは」
「じゃあ。温めてくれる?。ふふん・・・・冗談です。
暖かいものを食べたので、だいぶ身体が落ち着きました。
だってもう、3月の半ばでしょ。関東と同じような温度だと思っていました。
東北の春を甘く見過ぎていましたねぇ。
うふふ。あなたが来てくれなかったら、ほんとに凍えるところでした。
3月だというのに、寒いのね。東北は」
「初めて来ると、此処では、みんな君と同じ体験をする。
それよりもこれを見てくれ。
茂伯父さんの手がかりになりそうなメールが、今朝、届いた」
作品名:連載小説「六連星(むつらぼし)」第36話~40話 作家名:落合順平