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連載小説「六連星(むつらぼし)」第36話~40話

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連載小説「六連星(むつらぼし)」第39話 
「響の胸に騒ぐもの」

 響が起こされたのは、寝落ちてから30分ほど経ってからだ。
目を開けると頭上に、遠慮がちな金髪の英治の顔があった。
(そんなに遠くから見なくてもいいものを・・・小心者だな、こいつは)
苦笑しながら響が、身体を起こす。

 「連絡がきた。東北本線の松島駅で、元同僚の看護師さんと会える」
金髪の英治の声が、響の頭上で生き生きとはずむ。
時計をのぞき込んだ響が、小さく驚きの声をあげる。
(あら、まだ、午前8時をすぎたばかりです・・・・どうなってんだろう今日は。)
中途半端に起こされたため、ぼんやりとした頭のまま響が着替えを始める。

 「おいっ。そのまま脱ぐんじゃねぇ。男が居るんだぞ、ここに!」
英治の大きな声に、響の頭がようやく眠気から覚める。
(あっ、シャツの下は裸で、ブラジャーだけだ!。危ない、危ない・・・・
オオカミの前に、餌を投げ出すところでした。失敗。失敗)
あわてた響が、着替えを胸に抱えたままバスルームへ駆け込んでいく。