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あたたかい場所

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     ミリヤといられれば、心が壊れようがどうなろうが俺は幸せだよ
ミリヤ  そんなこと・・・言わないでよ
     大切な人が、壊れるのなんか見たくないよ
     コウスケ・・・お願い
コウスケ ・・・・ミリヤ
ミリヤ  ・・・・ごめんね
     私が何も知らなかったから・・・
     ごめんねコウスケ
     ごめんね
コウスケ ・・・・
ミリヤ  だから私にも、チャンスを頂戴
コウスケ ・・・・
ミリヤ  外でコウスケを幸せにするチャンス
     もう間違えない
     シュンさんも約束してくれたの
     もう一回チャンスをくれって
     今度は間違えない
     コウスケを幸せにしてみせるって
コウスケ シュンが・・・?  
ミリヤ  自分が悪かったって認めて、謝ってた
     コウスケの声が届いたんだよ
     もちろん、私だっている
     絶対に幸せにして見せるから
     今回のことでわかったの
     私は、知らないことが多すぎる
     でも、だだからこそ
     私たちが知らない、2人で一緒に幸せになれる方法が他にもあるのかもしれない
     いや、絶対にあると思うの
     例えば、私たちの知らない土地に行ってみるとか
     そこで1からスタートしてみるとか
     大変かもしれないし、いっぱい頑張らないといけないのかもしれないけど
     私、あなたを幸せにするならなんだってやるよ
コウスケ ・・・・
     ・・・だから、帰ろう?
     コウスケ
コウスケ ・・・・
     わかった・・・
ミリヤ  ・・・っ!
コウスケ でも、まだ怖いし、嫌だし・・・
     シュンのことも、完全に信用したわけじゃないし・・・
     でも、ミリヤのことは信じてるから
     だから・・・わかったよ
ミリヤ  ・・・良かった!
     じゃあ私先生とシュンさんを呼んでくるね!
コウスケ シュンはまだいい
     ・・・・なんか、恥ずかしいだろ
     あれだけ啖呵きっておいてすぐに会うの
ミリヤ  (笑いながら)わかった
     待ってて!

 ミリヤ 上手ハケ
 コウスケ 首から提げている時計を外す

○照明 考え中・・・
●音響 考え中・・・

 幕を下ろす
 幕の前
 アン 上手から出 下手側へ 手には資料
 シュン 上手から出

シュン  あの!
アン   ・・・昨日の
シュン  どうも
アン   ・・・うまくいったの?
シュン  あぁ
     幼馴染とは会えなかったんだが
     ここに連れてきたやつには会えてさ
     そいつが連れて帰るって約束してくれて
アン   へぇ
シュン  今日感情をもとに戻すみたいでさ
     迎えに来た
アン   良かったじゃん
シュン  アンタのおかげだよ
     感謝してる
アン   どういたしまして
シュン  ・・・そっちは?
アン   あいつの記憶操作っていうのを調べてる
     どんな方法なのか
     それがわかればきっと・・・
シュン  治るさ
アン   ・・・そうね
シュン  じゃあ、俺は
アン   うん
     おめでとう
シュン  あぁ
アン   すぐに私も連れ戻すから
     お礼を兼ねたお祝いでも用意しといて
シュン  期待しとけ

 シュン 下手ハケ
 アン  下手ハケ

●音響 アンが動くのをきっかけに M6 時計の音

 幕を上げる
 コウスケ・ミリヤ下手で板付き 眠っている
 ミリヤに時計がかけられてある

○照明 半明転(要相談)

 コウスケ 目を覚ます
 ミリヤを愛おしそうに見つめている

○照明 明転

 観測者 上手から出

観測者  やあおはよう!
     気分はどう?
コウスケ 先生
     ミリヤがまだ眠っているので静かにしてください
観測者  あぁ、ごめんね
     ふふ、よく眠ってる
     可愛いなぁ
コウスケ あんまり見ないでください
     減るんで
観測者  なにが!?
コウスケ だから、声
観測者  ・・・コウスケくん、僕の扱い方がタツヤくんみたいに辛辣になったよね
コウスケ 否定はしません
     そういうタツヤさんは?
観測者  あぁ、今日は駄目みたい
     ずっとレイちゃんのこと呼んでて、僕の声なんか聞こえやしないよ
コウスケ 想像できますね
観測者  あそこは本当にラブラブだからね
     ・・・・そろそろミリヤちゃん起きるかな
コウスケ そうですね・・・・
     といいますか、こうなったのも全部先生のせいなんですからね?
     わかってるんですか?
観測者  えぇ!?
     なんで?
コウスケ 俺ミリヤから聞いたんです
     先生が彼女の前であんなこと言うから
観測者  あんなこと?
コウスケ 「人にもよりますが、無理やり心をコントロールしますから
     精神や人格に影響は出ますよ」
     だなんて・・・
     貴方からそう言われたら、不安になるのも当たり前ですよ
観測者  えー仕方ないでしょ?
     僕はあくまで
コウスケ 『中立』
観測者  ・・・なんですから
     それに、僕だけのせいじゃないでしょう
コウスケ まぁ確かに・・・

 観測者 勝ち誇ったような顔
 コウスケ 少しむっとして

コウスケ いや、シュンが邪魔しに来るのは想定内でしたよ?
     むしろ好都合
     ミリヤの前で、俺が俺の意思でここにいるんだってことを示せましたからね
観測者  そう?
     あぁでも、ミリヤちゃん嬉しそうだったなー
コウスケ 思い出さないでください減ります
観測者  だから何が!?
コウスケ (無視して)次のタツヤさんの様子を見たことですが
     あれもそんなに危惧していませんでした
     多少動揺するだろうと思ってましたが
     それでも俺の泣き落としでどうにかなるでしょうからね
観測者  泣き落としって・・・
コウスケ ・・・やっぱり一番の想定外は、予想以上にシュンが良い奴だったってことですかね
     大きな誤算でした
観測者  アンちゃんと接触しちゃったのも大きいと思うよ?
     それで彼の考えが
     「俺がコウスケを幸せにする!」って方向にまとまったからね
コウスケ アンさんは、まだ来るんですか?
観測者  えぇ
     遊びにきてくれますよ
コウスケ すごいですね
     彼女のお兄さんに対する愛情は
観測者  シュンさんだってこれるなら来たいだろうね
コウスケ ・・・どうですかね
     まぁ俺はもう患者じゃなくなったので、施設の中に入ることは出来ませんからね
     ありがたいですよ
     『患者と親しい者以外の進入お断り』っていうルール
観測者  いやー
     そうしないと収拾がつかなくなっちゃうからね
コウスケ なるほど

 間

観測者  ねぇ、コウスケくん
コウスケ 何ですか?
観測者  どうして最初から、ミリヤちゃんを患者にしなかったんだい?
作品名:あたたかい場所 作家名:ころん