連載小説「六連星(むつらぼし)」第31話~35話
連載小説「六連星(むつらぼし)」第34話
「思いがけず、相部屋」
「茂伯父さんは、被災前までは
福島第一原発で働いていたという可能性が大きい。
昨年3月までの書留の消印のほとんどが、福島県内からのものだ。
その後、福島県から宮城へ移り、最後に届いたものは、
ここ、石巻からだった」
「じゃ・・・・伯父さんは、
福島で被ばくをしているという可能性もあるわね」
「そうとは言い切れない。だが、違うとも言い切れない。
3月末に届いた書留は、宮城県内に有る小さな町から出されたものだ。
おそらく体調不良か、それ以外のなんらかの理由で地震と津波が来る前に、
福島第一原発を離れていたという可能性が有る。
いずれにしても、楽観はできない事態だと思っている・・・・」
「楽観できないって事態って、まさか・・・・」
作品名:連載小説「六連星(むつらぼし)」第31話~35話 作家名:落合順平