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人でなし(?)の世界にて

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第2章 サバイバル



 疲れて眠ってしまったアンドルーズが起きたのは、翌日の正午ごろのことであった。彼は、まだ眠そうに目をこすった後、点けっぱなしにしてしまったテレビのほうへ、目を向けた。

 ニュースチャンネルを映していたはずのテレビ画面に、あのキャスターの姿は無く、国全体が緊急事態に陥っていることを伝えるメッセージが表示されているだけだ……。どうやら、放送休止になってしまったらしい。
 テレビのチャンネルを替えてみると、国内のチャンネルは同じように休止していたが、ベランダの衛星アンテナ経由した海外のチャンネルは、いくつか放送が続いていた。
 ただし、どのチャンネルもリザードマン騒動一色であった。そして、どれも緊迫した空気で満ち溢れている。アンドルーズはその中から、イギリスの放送局によるチャンネルに合わせた。

『政府の発表によりますと、グラスゴー(イギリスの都市)国際空港にて、リザードマンウィルスの感染者が見つかりました。現在、空港は軍によって封鎖されており、状況はコントロールできているとのことです』
30代前半と思われる女性キャスターが、政府から得た最新情報を伝えている。
『それでは、現場にいるベックを読んでみましょう』
画面が切り替わり、ベックという男性リポーターが映る。ベテランらしいそのリポーターの背後では、軍や警察がバリケードを築いており、その向こう側にある空港施設に睨みをきかせていた。
『こちら、グラスゴー国際空港です! すべての空港施設が軍により封鎖されており、今のところ、外部でリザードマンが出現したという情報は入っていません!』
彼の声には力がこもっていたが、焦りは隠せていなかった。
 空港施設のあちこちから煙があがり、バリケードから届くスポットライトが窓や出入口を照らしている。施設近くの地面には、人間の死体がいくつか転がっていた……。どうやら、これ以上の感染を食い止めるために、一人も外へ出さないつもりのようだ……。つまり、空港にいた哀れな非感染者を見捨てるということだ……。
『軍は明日にでも、非感染者の救助作戦を行なうということですが、安否が気遣われます!』

   ガラガラガシャーーーン!!!

 リポーターが言い切った直後、空港施設正面側のガラス製の窓や出入口が一斉に割れた……。その音と同時に、リザードマンの大群が、外へ飛び出してくる。そして、ヤツらはバリケードに向かって突撃してきた。
「撃て!!! 撃て!!!」
兵隊が、リザードマンたちに銃弾の嵐を吹きつける。
 だが、自動小銃程度の銃弾では、リザードマンにはあまり効果が無いようで、突撃の勢いを少し弱めただけであった。しかも、リザードマンの大群は100匹近くもおり、なんとかダメージを与えられる強い武器だけで、その突撃を食い止めることは無理そうだ……。