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人でなし(?)の世界にて

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「走れ!!!」

 キャサリンの手を引き、近くの物陰へ疾走するアンドルーズ。差し迫った危機に、彼は目を覚ましたようだ。
 アーノルドがまた発砲したが外れた。大事に手入れはしていたものの、訓練をサボっていたようだ。
「逃げるな!!! おとなしくしろ!!!」
銃を乱射しながら、2人を追いかけるアーノルド。幸いなことに、彼は太っているので、走るスピードは遅い。それでも、次々に飛んでくる銃弾は脅威だった。

 2人は、甲板上に放置してあったコンテナの影に隠れる。コンテナにぶつかる銃弾。コンテナ内から反響する音が聞こえる。
 銃を持っていないため、2人は反撃のしようがなかった。
 他の隠れ場所を探すアンドルーズの視線は、近くに停めてあったある乗り物に釘付けとなった……。

「出てこい!!! もう終わりだぞ!!!」
息を切らしながら、コンテナに近づくアーノルド。すると、エンジン音が聞こえてきた。コンテナの影から何かが現れる……。
「!?」
彼の目の前に現れたのは、空母用の小型消防車であった……。身をかがめたアンドルーズがそれを運転している。
「……まさか!?」
アーノルドは、彼が何をするつもりなのか、すぐにわかったようだ。しかし、発砲するか逃げるかで迷ってしまっているうちに、

   ザバーーーーーー!!!

 消防車から放たれた強烈な勢いの水が、アーノルドに命中する。デブのアーノルドでさえも立っていられずに、後ろへ転がっていく。まるでコメディーのような、シュールな光景であった……。



 小型飛行機で待っているマッチョ男は、アーノルドがアンドルーズとキャサリンに襲いかかるのを黙って見ていた。自分がやったほうが早いが、アーノルドは自分でやると言い張るだろう。今は、パイロットとともに、ここで待っているしかない。
「キャーーー!!!」
「ボートに急げ!!!」
リザードマンたちが甲板に現れた……。どうやら、艦内の兵隊は全滅したようだ……。艦のブリッジにも、リザードマンの姿が見える。もはや一刻も早く逃げるしかない状況だ……。
「……もういい出発しろ!!!」
「え? 大統領を待たなくては……」
「このままではやられる! 構わんから出発だ!」
マッチョ男は、アーノルドを置いて逃げることにした。確かにこのまま待っていたら、リザードマンたちに襲われるだろう。

 カタパルトで勢いよく離陸を始める小型飛行機。
「なに!?」
……ところが、滑走路上に突然「障害物」が現れた。