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人でなし(?)の世界にて

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「ちょっと! これはどういうことなの!?」

 すると、置いてきぼりにされたような気分に陥ったキャサリンが、アンドルーズに問い質した。
「話せば長くなるから後で説明する。今はここから早く逃げなくちゃいけないからな」
アンドルーズは、少しずつ水位が増えていく床を指差しながら言った。
「……オレといっしょにいろ……。そうすれば……安全だ」
他のリザードマンに襲われるのを防ぐために、バーナードが護衛してくれることになった。ただ、事情を知らないキャサリンは、不満と不安が混じった表情をしていた……。


 アンドルーズたちは、できるだけリザードマンや人と遭遇するのを避けながら、この空母から脱出できそうな甲板へ向かう。甲板に行き、救命ボートなどに乗り込んで脱出するのだ。もし無ければ、海に飛びこむしかない。
 幸か不幸か、人々やリザードマンはもう先に行ってしまっており、たまにしか遭遇しなかった……。ただ、出会った人間は、バーナードを見て逃げ出し、リザードマンは疑念の目でバーナードを見ていた……。
「悪いな。おまえに損な役回りをさせて」
「……なーに、これぐらい……平気さ」
アンドルーズたちは、なんとも言えない気分の中、甲板へと進んでいった……。



 そのころ、バーナードはマッチョ男とともに、手荷物を抱えて甲板へ向かっていた。護衛の兵隊が周囲を警戒している。
 甲板には、脱出用の小型飛行機が用意されていた。あの大型ヘリコプターでも良かったのだが、遠くまで飛ぶことを考えて、飛行機にしたのだった。
「はあはあ、これで最後ですか?」
「まだ持っていきたいが、これで終わりにしよう」
どうやら、手荷物を運ぶために、部屋と小型飛行機の間を何往復もしているらしい……。