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人でなし(?)の世界にて

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 牢屋は違うが、アンドルーズとキャサリンが閉じ込められている留置室には、他の収容者もいた。ただ、どの収容者も元気がない。どうやら、この留置室に入れられた者は全員、リザードマンとのデスマッチに参加させられるようだ……。

 アンドルーズが、リザードマンと戦って勝つにはどうすればいいのかを考え始めたとき、留置室に何人かが入ってきた。
「挑戦者諸君!!! お元気かな!?」
アーノルドが、マッチョ男と兵隊を率いてきたのだった……。
「おお、ここにいたか! 流れ者ども!」
アンドルーズとキャサリンがいる牢屋の前に立つアーノルド。
「よくも我々の楽しみをジャマしてくれたな? 他の連中と同じようにしてもらえると思うなよ?」
どうやら、リザードマンとのデスマッチをまた戦わせてくれはしないようだ。
「大統領、リザードマンを手なずけるためのエサにしましょう」
「おお、それがいい!」
高笑いするアーノルド。彼は、リザードマンを自分の奴隷にするつもりらしい……。
「ちょっと待て! リザードマンを操れると思っているのか?」
よくあるタイプのツッコミを入れるアンドルーズ。
「どうせ、ただのトカゲじゃないか!」
自信満々なアーノルド。おそらく、リザードマンと対峙したことなど無いから、そんな自信が持てるのだろう……。
「わかったぞ! エサになりたくないから、そんなことを言うのだな?」
彼は、バカにしたような表情と口調でそう続けた。この自信はどこからくるのだろうか……。
「まあ、そこで最期の時間を過ごすがいい」
アーノルドは捨てゼリフを言うと、また高笑いしながら、留置室から出ていった。

「逃げるとすれば、エサとしてリザードマンのところに連れていかれたときだな」
「失敗すれば終わりよ!」
アンドルーズとキャサリンは言い合ったものの、いい案はなかなか浮かばなかった……。



 留置室からそう離れていない場所に研究室があった。急ごしらえだが、リザードマンを研究するための一室であった。
 厚い鋼鉄に囲まれた研究室には、黄色い防護服を着た研究者がおり、甲板にいた防護服連中もそこにいた。
 そして、高圧電流が走る頑丈なオリの中には、数匹のリザードマンがいた。その中には、すっかりリザードマンと化したヒゲ男もいる……。
「なかなか従順にはなりませんね」
「もうあまり時間が無いぞ? あの新大統領は短気だからな」
研究主任である初老男性と助手が、オリの中を見ながら喋っていた。
 近くにいるリザードマンは、その2人を睨みつけている。手なずけるのがうまくいっていないことは、誰の目にも明白だった……。