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人でなし(?)の世界にて

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 バーナード率いるリザードマンの一団は、港にやってきた。
「撃て撃て!!!」
倉庫街からふ頭に出た途端、銃撃を浴びせられる……。大口径の銃弾が、バーナードのすぐそばにいたリザードマンを殺した。バーナードや他のリザードマンたちは、大急ぎで物陰に隠れる。
 ふ頭から少し離れた海上に、小型ボートに乗った数人の兵隊がおり、そこから銃撃してくる。
「ギャー!!!」
バーナードは、すぐに片をつけようと、リザードマンたちに突撃命令を下す。水中から小型ボートに向かえば、強力な銃弾による脅威はほとんど無くなる。
 だが、人間の記憶が残っているバーナードと違い、他の奴らは水に飛びこむのを恐れていた……。リザードマンと化してからは泳いだことがないのだろう。
「ギャ!」
バーナードは、自分が手本になってやることにした。飛んでくる銃弾を避けつつ、勢いよく海に飛びこんだ。

 小型ボートの兵隊は、バーナードが潜ったところ目がけて乱射する。リザードマンは水が苦手なのだと早とちりしていたらしく、慌てていた……。
 海中に飛びこんだ銃弾は、急激に速度を落とし、バーナードには1発も当たらずに止まった……。
「急いでここを離れよう!!!」
「そうだな。おい、船を動かせ!!!」
操縦している兵士が、船の向きを大急ぎで変えた。
 ……だが、その兵士はそこで息絶えた。ボートの真下にいたバーナードが、兵士の体を勢いよく下から貫いたのだ……。バーナードの鋭いツメは、強化プラスチック製の船体を、やすやすと貫通していた……。浸水を始めるボート。
 バーナードに習って、他のリザードマンたちも海に飛びこんだ。そして、初めての水泳に驚きつつ、ボートへ向かう。
「ヒィ!!!」
兵隊は間抜けな悲鳴をあげながら、船を動かそうとしたが、浸水とツメによるダメージのせいで壊れていた……。
 1分も経たないうちに、ボートの周りをリザードマンが取り囲んだ……。兵隊は銃を撃ちまくったが、それは弾の無駄でしかなかった。



 バーナードたちがボートの兵隊を血祭りに上げている頃、、アンドルーズとキャサリンは、空母の留置室に放り込まれた。鉄格子と厚い鉄板に囲まれた牢屋だ。船底に近いところらしく、窓は無かった。
「まったく! またこの部屋だわ!」
キャサリンがぶつくさ文句を言う。
「どうにかして逃げないとな。このままだと、間違いなく殺されるぞ」
「ええ、そうでしょうね!」
逃げる手段を考えていなかった彼を責めているかのような口調だった……。