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人でなし(?)の世界にて

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「そこのお前、止まれ!!!」

 ヘリから降りてくるアンドルーズたちに対して、近くにいた男が怒鳴った。その男とそのそばにいる数人は、黄色の防護服を着こんでいる。
 その防護服連中は、アンドルーズのほうへ一直線に駆け寄ってきた……。じっと警戒するアンドルーズ。
「おまえだおまえ!!!」
用があるのはアンドルーズではなく、その前にいるヒゲ男だった。連中の視線は、出血しているヒゲ男の横っ腹に向いている。
「な、なんだよ! オレは感染などしていないぜ!」
ヒゲ男の声は震えている……。
 どうやら連中は、感染者がいないかを確認しているようだ。危険な陸地を行き来しているのだから、ウィルスの検査があるのは当然のことだった。
「柱にぶつけたみたいですよ」
アンドルーズは、ケガの理由を連中に教えた。しかし、連中は納得することなく、ヒゲ男の上着をめくりあげる……。
「見ろ! これが柱にぶつけてできる傷か!?」
連中の一人が、ヒゲ男の横っ腹にある傷を、アンドルーズに見せた……。

 その傷は、柱に衝突してできるものではないことは明白であった……。数本のひどい引っ掻き傷が、しっかりと皮膚に刻み込まれている。傷口からは血が絶え間なく流れ、普通の切り傷でないこともわかる。
 あきらかにその傷は、リザードマンの鋭いツメによってできたものだ……。農場でリザードマンに体を掴まれた際にできたのだろう。そこから感染しているのは、まず間違いない。
「連行しろ!」
防護服連中は、ヒゲ男を拘束して、どこかへ連れていく……。
「おい放せ!!! 放せよ!!!」
抵抗も虚しく連行されていくヒゲ男。残されたアンドルーズたちは、自分の身を案じるしかなかった……。



 そのころ、アンドルーズたちが漁っていた農場に、リザードマンの一団がやってきた。ヤツらは、銃声を聞きつけてきたのだ。
 30匹近くの一団を率いているリーダーのリザードマンは、バーナードであった……。どうやってかはわからないが、出世したらしい。一団は、周囲を警戒しつつ、納屋に入っていく。元軍人であるバーナードが、動きを仕込んだのだろう。
「ギャー!」
先頭のヤツが、藁山の近くで死んでいる仲間の死骸を発見した。ヤツらは、一斉に死骸の周りに集まる。変わり果てた仲間の姿を見て、
「ギャギャーーー!!!」
死を悼むと同時に、復讐を誓った……。