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人でなし(?)の世界にて

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 いきなり、藁山が激しく揺れ始めたかと思うと、一気に崩れていく……。ヒゲ男は地面に滑り落ちて、尻餅をついた。
 崩れた藁山の中にいたのは、リザードマンであった……。どうやら、納屋の藁山の中で寝ていたようだ……。それをヒゲ男が起こしてしまったらしい……。
「誰か!!! 助けてくれ!!!」
当然だが、ヒゲ男は逃げ出す。しかし、それを見逃すリザードマンではなく、彼の足を掴んで持ち上げる……。
「何事だ!?」
納屋に、マッチョ男と兵隊が駈け込んできた。彼らはリザードマンを見た途端、一斉に銃を構え、戦闘態勢に入る。
 リザードマンは、ヒゲ男を適当に放り投げる。柱にぶつかるヒゲ男。
 やられまいと、リザードマンは兵隊に突撃していく。
「撃て撃て!!!」
マッチョ男が合図を出し、兵隊が一斉射撃する。対物ライフルから大口径弾が1発ずつ放たれる。
「ギャ!」
ヤツは、断末魔の叫び声をあげながら、地面を転がっていく。
 世界最強の銃弾のおかげで、すでに虫の息だ。そこへ、兵隊はとどめの一撃を加える。リザードマンの頭部や胴体が、強力な銃撃で砕け散った……。

「イテテ」
放り投げられたヒゲ男は、柱の近くに座り、痛みに苦しんでいた。
「歩けるか?」
近づいてきたアンドルーズが尋ねる。
「ああ、大丈夫だ。大丈夫」
ヒゲ男は脇腹を押さえながら、ゆっくり立ち上がった。服の右脇腹部分が赤く染まっている……。出血がひどい……。
「……お、思い切りぶつけちまったよ……」
どうやら、柱にぶつけられたせいで、右の横っ腹をケガをしてしまったようだ……。
「おい、置いてくぞ!!! 撤収だ撤収!!!」
マッチョ男が呼んでいる。今の騒ぎのせいで、他のリザードマンたちがやってくるかもしれないので、急いで逃げねば。



 仕事帰りのアンドルーズたちを乗せたヘリが、空母に着艦する。機内の全員が、すっかり疲れ顔だ。
 原因は、仕事による疲労だけでなく、明日の仕事への恐怖心のせいでもあった。今日は誰もリザードマンに殺されずにすんだが、もしかすると、明日は誰か殺されるかもしれない。それが自分ではないという保証など存在しない。
「ほぼ毎日ロシアンルーレットをやらされるようなものだな」
アンドルーズは小声で呟いた。