小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

人でなし(?)の世界にて

INDEX|19ページ/47ページ|

次のページ前のページ
 


「ちょっと、そこの人!!! 早く助けてよ!!!」

 アンドルーズの存在に気づいた彼女は、彼に助けを求めてきた。そこで男たちも、彼に気づいた。白人が2人で、黒人が3人だ。むさ苦しさを醸し出しているが、この街のストリートギャングであることが、風貌から見てとれた。
「おい、おっさん!!! この女は俺たちのもんだぜ!!! さっさと失せな!!!」
リーダー格の黒人のギャングが、アンドルーズに言う。手には拳銃が握られており、アンドルーズのショットガンに気づくと、銃口を向けてきた。
「バカ言うな! 失せるのはそっちだ!」
アンドルーズはそう吐き捨てると、さっと身をかがめ、ショットガンを発砲した……。リザードマンではなく、同じ人間同士での戦闘開始である。

 アンドルーズのショットガンから放たれた何十粒もの散弾は、拳銃を向けていた黒人の頭部をグシャグシャに潰した……。
「シット!!!」
他のギャングたちは、応戦しようと腰から銃を抜く。彼らは、違法改造されたサブマシンガンや安っぽい拳銃を持っていた。
 しかし、しょせんは素人であるギャングたちに、現役軍人であるアンドルーズに対する勝ち目など無い……。ギャングが放つ銃弾は外れ、アンドルーズが放つ銃弾はギャングたちの息の根を止めていく……。
「ヒィ!」
最後の1人となったギャングが、武器を放り捨てて、一目散に逃げ始めた。そして、近くの貧乏臭いアパートへ駈け込んでいく。悔しいが危険なので、アンドルーズは深追いしないことにした。
 1人逃がしてしまったが、アンドルーズの完全な勝利で終わった。

「なかなかやるじゃない!」
周りに転がるギャングたちの死体を見回した金髪美女が言う。ただ、彼女がつくった死体は1つも無い。
「大丈夫か?」
「私は全然大丈夫よ!」
アンドルーズの問いかけに、彼女は強気に答えてみせた。
「公園の中を突破したのは君か?」
「そうよ! 通り道が他に無かったからね!」
堂々としている。どうやら、強い気力の持ち主らしい。
「だけど、最低よ! やっと道路に出たと思ったら、こいつらと会っちゃったんだから! 私が女だとわかると、バカみたいに追いかけてきて、そのせいで車をおしゃかにしちゃったのよ!」
彼女は、周囲に転がる死体に、これ以上ないほどの蔑視を振りまく。
「それは大変だったな。それで、君の名前は? おれはアンドルーズ」
「いきなりナンパ? 私の名前はキャサリンよ」
「君も港に向かっているのか?」
「そうよ。船の上なら安全だと思ったからね」
キャサリンもアンドルーズと同じく、あの救助放送を聴いて、ここまで来たらしい。