悠里17歳
「だから、ルノも腹を決めなよ」
「やらずの後悔は一生モノよ」
サラも相乗りして暗い部屋で晴乃の顔に指を差した。暗くてわからないとは言えないはずだ。
「そうやね」晴乃がその場で笑い出した。この時晴乃が私に作っていた遠慮という壁が消えたような気がした。サラも笑った、そして私も笑った。
「言えばスッキリするよ」
「ダメ元でもええやんか。あたしたちが慰めてあげるよ、なんてね」
暗い中三人で声を揃えて笑うと
「あたしも決めた。健ちんに本当の事言うよ」
「カッコイイ!」
「その前にライブ成功させんとね」
「それもそやね」
私たちは横になったまま天井の一点を指差して誓いと決意を立てた――。