雨と匂い
「愛羅、」
「っ!?」
いつの間にか、傘を借りてきた詩織は後ろにいた
しかもかなりの距離が近くて、愛羅の後ろにしゃがんで何かをしている
「な、何?」
「んー・・・」
詩織は、軽く愛羅を抱きしめるような体勢になって、
「愛羅さ、さっきすっごいいい匂いしたなーって、思ってさー」
そう言って愛羅の背中や首筋の匂いを嗅いでいる
「お前は犬かよ!てか、雨濡れてるし変な匂いだって!ねえ!」
「んーん、いい匂い・・・恥ずかしいの?」
「・・・そうだよ!」
なおギュッと愛羅を抱きしめた
愛羅はというと、さっき以上に緊張とドキドキで動けなくなりそうで
詩織の匂いがこっちも分かるくらいに近い