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チンタ 残してゆく じゃじゃ馬さんへ

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2 1通目の手紙



君の
1通目の手紙
僕は一生
忘れない

「いったいいつまで
根にもつの?」って
君の声が
聞こえてきそうだ

図書館の
仕返しだとは
わかってたけど

1度言葉を
交わしたぐらいの
ほとんど素性も
知らない相手に

あんなにも
一方的に
感情をぶちまけて
くるとはね

いっそ
あっぱれと
褒めるべきだったかな

もちろん
読んだあの瞬間は
ただ猛烈に
腹が立った

自分勝手な
憶測で
他人を
誹謗中傷するなと
怒りにまかせて
怒鳴り込んだ

あとは
図書館につづく
泥仕合の第2幕

正直に言おうか

不思議だった
さんざん怒鳴って
背を向けてから
歩き歩き考えた

何でこんなに
むきになる?って

今思えば
簡単なこと

差出人が
君だったから

他人が僕を
曲解したり
僕の真意で
ないことで
わざとらしく
あげつらったり

そんなこと
あまりにしょっちゅう
ありすぎて
いちいちまともに
相手になるのも
面倒だった

なのに
あの手紙だけは

僕が君に
面と向かって
あのとき何て
怒鳴ったか

今となっては
一言一句は
覚えてないけど

手紙を読んだ
直後の自分は
今でもはっきり
覚えてる

血という血が
頭に上って
落ち着こうとして
息をして

そしたらもう
心の中で
叫んでた

僕は
君が思ってるような
卑劣な人間
なんかじゃない!


--ランガへ--

あんたの記事なんか
なくたって
新聞はちゃんと
発行できるわ

インタビューひとつ
協力しても
くれないなんて
ずいぶんとまあ
横柄な…と
思っただけ

なんたって
「偉大な詩人どの」
ですからね
プロフィールなりと
新聞に
載せるべきかと
思ったの

なのに肝心の
あんたときたら
もうから
いっぱしの
有名人気取りで
お高くとまって
くれちゃって

それはそうと
あんたのあの詩
まさか盗作じゃあ
ないでしょうね?

確かめるのも
怖くなっちゃう

気がすむまで
せいぜい
気取ってるがいいわ

私の下司の勘ぐりが
まさか的中
してないことを
祈ってます

    チンタより