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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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1―2 【京】

 【京】は(ケイ)とも読む。それは数字上で、兆の1万倍。
 1京は、9、999兆 9、999億 9、999万 9、999より、1つ大きい数字。
 そのためか【京】と言う漢字には、とてつもなく大きいという意味がある。

 例えば、京都。途方もなく大きい都という意味となる。
 したがって飛鳥京も平城京も、そして平安京も、当時はいずれの都も京都だった。大きな都という一般的な意味で解釈されていたようだ。
 それでは京都という今の固有地名になったのは、いつ頃のことだろうか?
 それは随分と最近のことだ。廃藩置県後からとされている。

 そんな【京】(ケイ)、数字としてはまだまだ日常的に使われるところまではきていない。
 一方、「兆」は、例えば日本の借金はざっくり1千兆円とか。またトヨタの売上高は19兆円。このように、兆の単位は日常茶飯事に耳にする。
 だが【京】の場合はまだまだ。

 だが、最近たまたま耳にしたのが、次の二つ。
 一つは、約20年後の2030年には、世界の株式総額が1京円を超えるとか。
 また二つ目は、お隣りのアンドロメダ銀河まで、1、800京キロメーターあるとかだ。

 こんな話題でしか、【京】は今のところ耳にしない。
 したがって、日常生活への【京】の出番は――ここしばらくはなさそうだ。