漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品
38―4 【無】
【無】、象形で元々は舞う人の形だとか。
その舞い始めの時間が止まった瞬間、何もない状態を【無】とも言われている。
そんな【無】、無理、無駄、無能と多くの熟語を作る。
だが、その中でも最近気になるのが「無茶苦茶」。
語源は客が来ても、茶も無く、出てきたとしても苦い茶。
要は無茶苦茶。
だったら滅茶苦茶は? これがよくわからない。
滅びた茶、要は腐ったような茶が出されたのか?
他に「無味無臭」、この言葉を気に入ってる。
化学物質では「H2O」、水だ。
苦過ぎる味と悪臭で生きてきた我が幾星霜。
残る生涯は滅茶苦茶でなく、無味無臭で生きて行きたい。
そんな【無】に憧れる今日この頃だ。
作品名:漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品 作家名:鮎風 遊