漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品
31―3 【絵】
【絵】、元の字は【繪】、左の部は「會」(会)だ。
この「會」はいろいろな食材の入ったごった煮の鍋のことらしい。そして「糸」偏で、彩り良く色織りすることが【絵】だとか。
うーん、なるほど、元は――ごった煮ね。妙に納得できるから不思議だ。
さてさて江戸時代、ことわざがよく絵にされた。そのようなものを集めた本がある。
それは【絵で楽しむ江戸のことわざ】、著者:時田昌端
まず「犬も歩けば棒に当たる」、いろはかるたの「い」であり、小さい頃の昭和カルタで、犬が電信棒にぶち当たってる絵見たことがある。
他に、親の脛かじり、蚤の夫婦、馬鹿につける薬はない、人の口に戸立たぬ……などがあり、面白い。
てなことで、現代版はと探してみると、それがあったのだ。
それは「サラリーマン川柳」。
いい夫婦 今じゃどうでも いい夫婦
電話口 「何様ですか?」と 聞く新人
こんなのに、やくみつる氏の絵(イラスト)が付いている。
【絵】という漢字、ごった煮の鍋に、「糸」偏で彩り良く色織りすること。
江戸時代も現代も、日本人は言葉に絵を添えて色織りするのがどうもお好きなようだ。
作品名:漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品 作家名:鮎風 遊