漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品
31―4 【今】
【今】、壺や瓶の蓋の形だとか。それがなぜ【今】なのかわからない。
この上の部が「人」の意味の「ひとやね」。そして下の部は昔から集まり続けていること、これで【今】となったそうな。
なにかよくわからないが……。
いつやるか? 【今】でしょう!
これは東進予備校の林修先生の名言。CMで使われ有名となった。
元々は、現代文を理解するためには漢字の勉強が重要。そのため予備校生に向かって、漢字の勉強、いつやるの?
【今】でしょ! となった。
確かに現代社会、急がば回れより、【今】でしょ! かな。
この「急がば回れ」、室町時代の連歌師・宗長が「もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」と詠んだ。
要は琵琶湖の海路は比叡おろしがあり危険、陸路を旅した方が良いとのこと。
しかし現代、そんなことでは悠長で、待ってられない。
【今】でしょ! となる。
ではこれを英語にしたら。込められた意味からすると、次が適切だそうな。
If not now, then when?
確かに、ね。だけど、【今】でしょ! ほどのインパクトはないのだ。
作品名:漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品 作家名:鮎風 遊